ここから再スタートだ
近年ではイングランドの実質3部であるフットボールリーグ1にまで降格してしまっていたサンダーランド。それでも、今季はリーグを5位で終えると、昇格プレイオフに参加。21日のウィコム・ワンダラーズとの決勝に勝利し、見事2部昇格を決めている。そんなサンダーランドに懐かしい選手がいる。FWパトリック・ロバーツだ。
来季からプレミアを戦うことになるフラムでキャリアをスタートさせ、2015年にマンチェスター・シティに引き抜かれている。シティは当時18歳のロバーツに1200万ポンドの移籍金を支払っている。
しかし、この移籍は上手くいかなかった。セルティックやジローナなど複数のクラブをローン移籍で渡り歩き、今冬の移籍市場でサンダーランドに完全移籍で加入している。サンダーランドとの契約は今季までであり、延長のオプションが付いているようだ。
「どこかに定住することが大きな目標です」
英『The Athletic』ではロバーツの特集を組んでおり、その際にロバーツは一つのクラブで長くプレイしたいと話している。ロバーツはシティ移籍後6つのクラブでプレイしており、どこも短い期間で退団している。
ローン移籍はトップチームでもプレイできずとも、期待されている若手に出場機会を与えるのにベストな移籍方法だ。しかし、チームに在籍する期間がロバーツのように短い傾向にあり、積み上げができない。チームメイトや監督との連携、自身の強みを分かってもらうなど活躍するには時間が必要になる。
「この夏、どうなるか分かりませんが、今はクラブ(サンダーランド)にいて楽しんでいます。それが続くことを願っています。何かの一部になりたいです」
ロバーツの持っている実力は確かだ。「イングランドのメッシ」と呼ばれた男はプレイオフの準決勝シェフィールド・ウェンズデイ戦で貴重なゴールを奪っている。自慢の左足からゴールを決めており、まだまだやれることを証明した。
ロバーツはまだ25歳と若く、来季2部のチャンピオンシップでプレイすることになっても十分に通用する存在となるだろう。サンダーランドでは冬の加入ですぐにチームから信頼を得ており、右サイドで地位を確立した。これからの選手であり、返り咲きに期待だ。