リヴァプールの戦い方は中盤構成を見れば分かる? “NFT”導入でスタイルの選択肢が増加

シティ戦でもNFTを起用 photo/Getty Images

エヴァートン戦では同構成で支配率80%を超える

2018-19シーズンにUEFAチャンピオンズリーグを制したリヴァプールは、翌年にも圧倒的な強さでプレミアリーグを優勝した。するとショートカウンターを武器に欧州を制したリヴァプールに対し、守備を固めてくる対戦相手が増加。ユルゲン・クロップ監督は、2020年あたりからボールを保持するスタイルの構築も進めていくことになる。

そして今シーズンは、ボールを保持できる状況において新たな中盤の構成を見せている。それがアンカーにファビーニョを置き、インサイドハーフにチアゴ・アルカンタラとナビ・ケイタを配置した“NFT”だ。

特徴的なのは中盤で絶対的な存在として君臨するファビーニョの前に、攻撃的なMFを2枚置いている点だ。今まではジョーダン・ヘンダーソンやジェイムズ・ミルナーといった豊富な運動量でアップダウンを惜しまない献身的な選手たちが名を連ねることが多かったリヴァプールの中盤。しかしボールを保持していく展開でよりテクニックのある両者の起用も大きな武器となっている。

どちらもスタミナや強度は高く、ユルゲン・クロップ監督の求める強さを表現している。それにチアゴのパスセンスと精度の高さ、ケイタのテクニックや推進力は、以前までのリヴァプールの中盤にはなかったものを加えた。近年リヴァプールに加入し、今季フィットしている両者がクロップ監督に新たな選択肢を与えているのだ。

またこの攻撃的なスタイルは、強豪クラブ相手にも実践している。プレミアリーグ第32節のマンチェスター・シティ戦で、ショートカウンターから最終ラインの裏を狙うシティに対し、比較的ボールを持てる展開だったリヴァプールは78分にヘンダーソンに代えてケイタを投入。その1週間後のFAカップ準決勝では“NFT”の中盤で攻勢を強め、前半から3ゴールを奪っている。

リヴァプールのSNSで発信された“NFT”(N=ナビ・ケイタ、F=ファビーニョ、T=チアゴ)。今後はリヴァプールの中盤構成を確認することで、どのような形で攻めるかが見えてくるだろう。

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