パリ・サンジェルマンMFマルコ・ヴェッラッティ(29)は世界の誰もが認めるゲームメイカーであり、若い頃よりアンドレア・ピルロと比較されるなど天才肌の選手だった。
スター揃いのパリで長くプレイ出来ていることも才能の証明ではあるのだが、少々気になるのがカードの数だ。
ヴェッラッティは小柄なMFだが、守備でもハードワークできる。しかし、タックルに頼るところからファウルを取られるケースも少なくない。データサイト『WhoScored』の数字では、ヴェッラッティはリーグ・アンでトータル79枚もイエローカードを受けているのだ。
移籍初年度の2012-13シーズンは10枚、2013-14シーズンも10枚、2014-15シーズンは12枚、そこからは一桁が続いていたが、今季は19試合の出場で11枚も受けている。今季は退場のケースこそないが、ややカードトラブルが多いか。若い頃とカードの傾向が変わっていないのは気に掛かる。
振り返れば、2017年にはワールドカップ・ロシア大会出場を懸けたスウェーデン代表との欧州予選プレイオフ2ndレグでヴェッラッティは累積警告による出場停止処分を受けていた。試合はスコアレスドローに終わり、イタリア代表は2戦合計0-1で敗北。もしヴェッラッティが出場していれば、ゲームメイクの部分で違いを作れたかもしれない。
もう年齢的には30代目前で、今後は若い頃よりスピード対応が難しくなるかもしれない。その際にこれまでと同様に足を出していたのでは、不用意なカードが増える恐れがある。守備にハードワークできるのは強みだが、タックルに頼りすぎない対応は必要か。
また、イエローカードの数に対して寂しいのがシュート数だ。シュートの数はリーグ・アンで通算68本となっており、イエローカードを受けた数の方が多くなってしまっているのだ。自らシュートを連発するポジションでないのは確かだが、MFの選手としてイエローカードより少ないシュート数に留まっているのは寂しいものがある。
優秀なMFながらリーグ・アンでは242試合をこなして7得点に留まっており、ここはもう少し伸ばしたい部分だった。イタリア代表でも通算49試合で3得点と、ワールドクラスのMFとしては物足りない。
足下の技術など高い評価を得るMFなのは間違いないが、守備対応と得点力向上はもっと積極的に取り組むべきだったか。