W杯ベルギー戦の先制点から4年 30歳の原口元気は日本代表のレギュラー奪取へ静かに燃えている

ベルギー戦の先制点を決めた原口 photo/Getty Images

ドイツ、スペイン相手に番狂わせを起こせるか

4年前のFIFAワールドカップ・ベスト16でベルギー相手に先制ゴールを奪った男が、2022年W杯でも日本を熱狂の渦に包み込むことができるか。30歳となった原口元気は今もなお成長を続け、代表のレギュラー奪取に燃えている。

2014年は当落線上だったW杯のメンバーだったが、最終的には落選してしまう。その悔しさを胸に、所属先の浦和レッズへ移籍金を残す形で同年夏からブンデスリーガへ挑戦し、2021-22シーズンもドイツでプレイ。現在ブンデスリーガのクラブに在籍する日本人では、長谷部誠に次ぐ2番目の長さであり、その間に原口はサッカー選手として大きく幅を広げていった。

もともとはキレのあるドリブルを武器とするサイドアタッカーだったが、ドイツでのキャリアや日本代表を率いたヴァイッド・ハリルホジッチ監督の起用で中盤でも経験値を積んでいく。すると昨季は、2部のハノーファーでトップ下として9ゴール5アシストと活躍。今季から加入したウニオン・ベルリンでも欠かせない存在となっており、ブンデス1部で26試合2得点4アシストを記録する。

また古巣対戦となったヘルタとの“ベルリン・ダービー”でも1ゴールを決めてチームの勝利に貢献。インサイドハーフで攻撃の司令官としてチームをけん引しているのだ。若くしてブレイクを遂げた天才ドリブラーは、30歳となった現在、中盤から攻撃のタクトを振るっている。

そんな原口は独紙『Kicker』にて日本代表への想いを語り、「現時点で僕はレギュラー選手というわけではありません。決してそれに満足するわけではありませんし、またポジションを取り戻したいと考えています」と胸中を明かした。現在の日本代表は、中盤に盤石の3枚(遠藤航、田中碧、守田英正)が揃っており、彼らの牙城を崩すことは容易ではない。それでも、攻撃においてチームのリズムを変えられる選手であることは間違いなく、何より前回大会のピッチに立った経験値が彼にはある。

「親善試合は6試合残されていますし、そこで自分をアピールすることができると思います」

若い頃には血気盛んな性格だった原口が今、内なる闘志を胸に代表へのレギュラー奪取へ静かに燃えている。4年前の先制点は最終的に涙で終わってしまったが、4年前に起こせなかった番狂わせを、当時からまた1つ成長した原口がワールドカップの舞台で、起こしてくれるかもしれない。

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