《40ゴール5失点》で無敗の衝撃 攻守両方が凄すぎる南米の王・ブラジルはW杯制覇に届く

南米予選をあっさり突破したブラジル代表 photo/Getty Images

チッチの下で成熟度は増している

FIFAランキングが強さの証明というわけではないが、発表された最新のFIFAランキングでサッカー王国ブラジル代表が久々に1位となった。これまではベルギー代表が1位を守っていたが、それがついにひっくり返ったのだ。

実際に今のブラジルは強い。今年のカタール大会出場も早々に決めてしまい、南米予選では17試合を戦って14勝3分無敗で勝ち点45を稼いでいる。アルゼンチンとのゲームが延期となっているため消化試合が1つ少ないが、強豪が揃う南米予選で無敗を維持しているのは見事と言うしかない。

21世紀に入ってからの南米予選ではマルセロ・ビエルサが指揮した2002年のアルゼンチン代表が最多となる勝ち点43を稼ぎ出していたが、チッチ率いる現ブラジルが勝ち点45でこの記録を抜いた。得失点の内訳も40得点5失点と圧倒的で、もはや南米に敵はいないと言っていい。
ブラジルが南米予選で最後に負けたのは、2015年のチリ代表戦まで遡る。これは2018年のロシア大会へ向けた南米予選だったが、ブラジルは初戦のチリ戦を落としてからは無敗で通過。最終的には12勝5分1敗の成績だった。つまり南米予選ではもう6年半近く負けがないことになる。

4年前からの変更点で見ると、チッチは[4-3-3]よりも[4-2-3-1]を好んで使用するようになっている。ロシア大会では[4-3-3]がメインで、アンカーの位置にフェルナンジーニョやカゼミロが入っていた。

しかし今は中盤の底に守備的なボランチを2枚並べるケースが多く、ここはカゼミロ、ファビーニョ、マンチェスター・ユナイテッドでも評価を上げるフレッジらがローテーションで担当してきた。守備的MFの位置に実力者が揃っているのも現ブラジルの強みだ。

ロシア大会の時のようにフィリペ・コウチーニョ、パウリーニョ、レナト・アウグストといった選手をインサイドハーフに配する形も攻撃的で面白いが、守備の安定を考えるならダブルボランチの[4-2-3-1]がベストか。トップ下ではリヨンのルーカス・パケタが確実な戦力になっており、ヴィニシウス・ジュニオールがレアル・マドリードで覚醒したことを考えれば本大会ではネイマールをトップ下、ヴィニシウスを左に回す案もある。いずれにしても強力で、カタール大会の優勝候補筆頭と言ってもいい。

近年はワールドカップを欧州勢に支配されているところがあり、サッカー王国としてこれ以上プライドを傷つけられるわけにもいかない。チッチの下で確実に戦術は浸透していると言うことができ、隙のないサッカーで目指すは頂点だ。

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