“FIFAランク1位”でもW杯優勝候補ではない? アザール&ルカク苦戦のベルギー黄金世代の終わり

アザールもレアル移籍後は大苦戦 photo/Getty Images

自慢のアタッカー陣に元気がない

欧州予選8試合を6勝2分と無敗で切り抜け、早々に今年のワールドカップ・カタール大会出場権を手にしたベルギー代表。今でも彼らは強豪の一角に挙げられるが、状況は良くない。4年前と比べれば、明らかに実力は落ちている。

やはり心配なのは黄金世代と言われたアタッカー陣だ。レアル・マドリードでは相変わらず影の薄いエデン・アザール、復帰したチェルシーで思うように結果の出ないロメル・ルカク。この前線の看板2選手が苦戦しているのは痛い。

ディボック・オリギもリヴァプールでは出番が限られており、欧州5大リーグを離れてトルコのベシクタシュへ向かった28歳のミッチー・バチュアイの実力も評価し難い。ストロングポイントだった攻撃陣で柱となる選手が見当たらないのだ。

長くベルギーのエース務めてきたルカク photo/Getty Images

もはやW杯優勝候補とは呼びづらい

21歳のチャールズ・デ・ケテラエル(クラブ・ブルージュ)、20歳のヤリ・フェルスハーレン(アンデルレヒト)、19歳のジェレミー・ドク(レンヌ)など若手も出てきているが、まだワールドカップで暴れるレベルではないだろう。中でもドクは楽しみなドリブラーだが、今季はハムストリングを傷めて何度か離脱している。大ブレイクのシーズンとはなっていないのだ。

レアル・マドリードで攻守を連発するGKティボー・クルトワ、マンチェスター・シティMFケビン・デ・ブライネは黄金世代の中でも元気だが、MFアクセル・ヴィツェルもベテランとなり、DFトビー・アルデルヴァイレルトとヤン・ヴェルトンゲンも5大リーグを離れた。ピークは過ぎたと見ていい。EURO2020で活躍したエデン・アザールの弟トルガン・アザールも今季はドルトムントで主力になりきれていない。

ジェノアDFジーニョ・ファンフースデン(22)、アーセナルMFサンビ・ロコンガ(22)など5大リーグから関心を寄せられるタレントはいるものの、黄金世代ほど豪華ではない。カタール大会への切符は掴んだが、現状を考えると優勝候補には挙げにくいだろう。

まだベルギーはFIFAランク1位だが、それにふさわしい実力とは言えないか。黄金世代にとっては最後のワールドカップになる可能性が高いが、アザールやルカクら主役たちがクラブで輝いていないのが残念でならない。

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