チアゴ、アラバ、ボアテング…… 主力流出で失点増加のバイエルンは力が落ちているのか

チアゴはバイエルンを離れてリヴァプールへ photo/Getty Images

退団選手の穴を完璧には埋められていないとの指摘も

バイエルンは今もブンデスリーガのトップを走っており、今季もリーグ制覇を達成する可能性が高い。しかし、盤石な状態とは言い切れない。やはり気になるのは主力の流出だ。

振り返ると、2019年の夏にDFマッツ・フンメルスが古巣ドルトムントへ移籍。翌年にはMFチアゴ・アルカンタラがリヴァプールへ、その次の年にはDFダビド・アラバがレアル・マドリード、ハビ・マルティネスがカタールSC、ジェローム・ボアテングもリヨンへ向かうことになり、守備陣を中心にタレントが抜けてしまった。

代わりにバイエルンはDFダヨ・ウパメカノ、リュカ・エルナンデス、バンジャマン・パヴァール、MFマルク・ロカ、マルセル・ザビツァーらを迎え入れており、補強にも動いている。

しかし、アラバやチアゴといった一流タレントの穴を埋めるのは簡単ではない。特にチアゴが持つ創造性は特別だ。バイエルンの中盤にはジョシュア・キミッヒ、レオン・ゴレツカがいるものの、それでもチアゴの穴は大きい。

リヴァプール専門サイト『Liverpool.com』も、バイエルンがチアゴ退団から苦しんでいるのではないかと分析する。

「バイエルンは依然として欧州で最高のチームの1つだが、2020年の夏にチアゴが抜けてからは脆弱に見える。これはチアゴが離れて以降バイエルンが許してきた失点数に反映されている。バイエルンは昨季も44失点喫しており、今季もすでに26失点だ。もちろんチアゴはDFの選手ではない。しかしチアゴはボールを保持し、中盤をまとめる点では世界最高の1人だ」

確かにチアゴは最終ラインの選手ではなく、相手アタッカーから強引にボールを奪い取るハンターでもない。しかし同メディアの指摘通り、ゲームをコントロールする術は一級品だ。チアゴの退団からバイエルンがゲームコントロールの部分に問題を抱えたとしても不思議はない。

ちなみにバイエルンは2016-17シーズンにリーグ戦で22失点、2017-18シーズンは28失点、2018-19と2019-20シーズンはともに32失点。ここでチアゴが離れ、2020-21シーズンは44失点へと膨れ上がった。そして今季は23試合消化時点で26失点だ。

昨季ほどは増えないかもしれないが、じわじわとシーズンを重ねるごとに失点が増えているのは事実だ。これは守備陣を中心にタレントが流出し、その穴を完璧には埋められていない証なのかもしれない。同メディアの指摘通り、チアゴもそのピースの1つなのか。

ブンデスリーガは制覇できても、この守備がチャンピオンズリーグでも通用するかは未知数なところもある。ここ2、3年のバイエルンが的確な補強でチームを強化できているかは微妙なところだろう。

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