古都のネイマールから“神出鬼没のスコアラー”に スタイルを変えドイツで結果を残す奥川雅也のもう一つの強み

リーグ戦では今季8ゴール目を記録したビーレフェルトの奥川雅也 photo/Getty Images

カップ戦合わせて今季は9ゴールを決めている

降格圏内を脱出し、14位に付けているアルミニア・ビーレフェルト。ここ8戦で4勝3分1敗と好成績を残しており、シーズン後半戦にきて自分たちの戦い方で勝ち点を獲得している。そんなビーレフェルトで日本人選手がゴールを量産している。FW奥川雅也だ。

京都サンガF.C.で日本でのキャリアをスタートさせ、同年にオーストリアのレッドブル・ザルツブルクへ移籍した奥川。その後複数のクラブを渡り歩き、昨季の中盤あたりから今のビーレフェルトでプレイしている。

京都時代はそのプレイスタイルから「古都のネイマール」と呼ばれていた同選手だが、今の彼はドリブラーというよりも、ポジショニングで得点を奪えるストライカーに姿を変えている。

そもそも、ビーレフェルトはボールを保持するチームではなく、ボールを奪ったら即カウンターというスタイルを持っており、奥川がネイマールのようにゆったりドリブルを仕掛けることは少ない。実際にリーグ戦では22試合に出場しているが、ドリブル成功数は13回と特別多いほうではない。

そんな奥川がここまで輝けているのは攻撃時のポジショニングと献身的な守備意識の高さだろう。

ポジショニングに関してはウニオン・ベルリン戦でのゴールがすべてを物語っている。このシーンでは一度ボールを受ける動き出しをするもパスは貰えなかったが、相手DFがボールウォッチャーになったタイミングでパスを受け、振りの速いシュートでゴールネットを揺らしている。一度消えることでフリーになっており、まさにその動き出しはストライカーそのものだ。また、今季の奥川がボックス内からのゴールが8点中7点と多く、エリア内での精度の高さを見せている。

得点力もそうだが、献身的な守備もフランク・クラマー監督から信頼を得ている一つの要因だといえる。ここまでのプレッシング数は368回となっており、アレッサンドロ・シェプフの372回に続くチーム2番目のプレス数を残している。FWも献身的な守備を求められるようになった時代に奥川が適応している証拠だ。プレッシングからボールを奪った回数は109回とチームトップの数字となっている。

ドリブラーからのスタイルの変化と献身的な守備を武器にドイツで不動の地位を築く奥川。タッチ数が少なく、ゲームから消えてしまう場面もあるが、得点面と守備での貢献度は大きく、今後も重要なピースとしてチームから重宝されることになるだろう(データは『FBREF』より)。

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