やっぱりCLにアウェイゴールは必要? アウェイで守りに守ったレアルの姿勢に疑問の声も

ムバッペは何度もレアルのゴールに襲いかかった photo/Getty Images

アウェイで攻撃に出る意味は薄れたのか

今季よりチャンピオンズリーグ決勝トーナメントは多少ルールが変わっている。これまで適用されてきたアウェイゴールが廃止されているのだ。

各チームも戦い方を再考するきっかけとなるだろうが、いきなりベスト16から議論を呼ぶゲームがあった。ベスト16の中でも注目カードの1つになっていたパリ・サンジェルマンVSレアル・マドリードのゲームだ。

1stレグはパリ・サンジェルマンのホームで行われたが、試合内容はパリが圧倒的に攻める90分となった。レアルは3本しかシュートを打てず、最終的にはパリがFWキリアン・ムバッペの個人技でゴールをこじ開けて1-0の勝利を収めた。
レアルが攻められなかったのか、それとも強引には攻めなかったのかは議論が分かれるところだが、サッカー評論家マイケル・コックス氏は自身のTwitterでアウェイゴールルールの廃止が1つの原因ではないかとの見方を示している。

「レアルは0-0のためにプレイした。彼らがここまで守備的なのは見たことがない。UEFAはアウェイ側がノックアウトラウンドで攻撃に出たくなる動機を見出さないといけない」

アウェイゴールは1点の価値が大きく、アウェイで0-1で負けるよりは1-2で負けた方がいいとも考えられる。アウェイゴールルールがあるからこそ、アウェイでもチャンスがあれば得点を奪いにいこうと考えるチームが増えるのかもしれない。

またホームチームもサポーターの声援を背に勝利を狙うのはもちろん、アウェイゴールを与えてはならないとの駆け引きも生まれる。

ホームもアウェイも関係ないとの見方もあるだろうが、英『SPORF』もアウェイゴールこそが欧州カップ戦に独特の緊張感を生み出してきたと指摘しており、それが無くなってしまった寂しさもある。

アウェイゴールルールが残っていた場合、今回レアルは戦い方を少し変えただろうか。見方によっては2ndレグをアウェイで戦うパリはスコアレスドローで終えていいことになり、リスクを負って点を奪いに行く必要はない。以前ならばアウェイで点を奪えば止めを刺せると考えたかもしれないが、アウェイゴールルールが廃止された今はアウェイで消極的に戦う方が無難なのかもしれない。

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