素直に喜ぶべきか、それともスペイン2強の攻撃力低下を嘆くべきなのか。今季スペイン勢で最も多くの得点を挙げているチームはレアル・マドリードでも、バルセロナでもない。
最多得点チームはマヌエル・ペジェグリーニ率いるレアル・ベティスだ。
リーグ戦ではレアル・マドリードが48得点、ベティスが45得点とレアル・マドリードが上回っているが、スペイン国王杯、さらに欧州カップ戦も含めれば逆転する。
ベティスの場合はヨーロッパリーグだが、全部合わせるとここまで36試合で76得点を挙げている。一方でレアル・マドリードは同じく36試合を消化して72得点だ。
ベティスの数字はバイエルン(107点)、マンチェスター・シティ(98点)、リヴァプール(95点)、チェルシー(79点)に次いで5番目に多い数字となっており、スペインの中堅クラブとは思えぬ攻撃力の高さだ(ドイツのレヴァークーゼンも同じ76得点)。
バルセロナはリオネル・メッシ、レアル・マドリードはクリスティアーノ・ロナウドを失ってから得点力が低下しており、その穴は埋まっていない。以前はこのスペイン2強が圧倒的な攻撃力を持っていたが、2人のスーパースター退団で状況は大きく変わった。
ベティスの興味深いところは、各国代表とあまり縁のない選手たちが結果を出していることだ。
チーム最多得点者はスペイン代表で2015年に1試合だけプレイした28歳のFWファンミで16得点、第2位はスペイン代表と縁のない29歳のFWボルハ・イグレシアスで13得点、3位は最近フランス代表に呼ばれていないFWナビル・フェキルで9得点。
他にもブラジル代表には呼ばれていない30歳のFWウィリアン・ジョゼ(8得点)、スペイン代表で主力とはなっていないMFセルヒオ・カナレス(6得点)、さらにはスペイン人FWクリスティアン・テージョ(3得点)、40歳の大ベテランFWホアキン・サンチェス(2得点)など、最近の国際舞台では注目を集めない者たちが結果を出しているのが興味深い。
リーグ戦でも3位につけており、チャンピオンズリーグ出場権も視界に入りつつある。得点数がすべてではないが、レアル・マドリードとバルセロナにとっては屈辱的な数字か。