「間違いなくスケープゴートにされている」 最下位チームで苦悩するチェルシーの逸材MF

今季はノリッジにレンタル移籍しているギルモア photo/Getty Images

個人を標的にしたチャントも歌われる

今冬、チェルシーは武者修行先で苦しい状況に陥っている若者をチームに呼び戻すべきかもしれない。その若者とは、2021-22シーズン開幕前にノリッジ・シティへと向かったスコットランド代表MFビリー・ギルモア(20)だ。

実力はあるものの、チェルシーのハイレベルな中盤における定位置争いを避けて、今夏レンタル移籍を選択したギルモア。しかし、武者修行先のノリッジにおける旅路は非常に厳しいものとなっている。今季は前半戦の多くの時間でダニエル・ファルケ前監督のスタメン構想から外れることとなり、一時チーム内での序列は急下降。ファルケ監督解任以降は出番を取り戻したものの、チームが勝てない状況に陥っていることもあって彼には現在ファンからの批判が相次いでいる状況だ。

そして、ついに現地時間30日に行われたプレミアリーグ第20節のクリスタル・パレス戦(●0-3)にて、ファンの怒りが爆発。この敗戦でノリッジはリーグ戦5試合連続の完封負けを喫することとなったが、その試合中にはギルモアに対する不満を歌ったチャントも披露されたという。
決して彼だけが悪いわけではないはずだが、降格圏に沈むチームで批判の的にされてしまっているギルモア。今後もこの状況が続くようであれば、精神的にもこの20歳MFには大きな負担がかかることとなるだろう。出場機会の獲得以前に、今のノリッジで彼をプレイさせ続けることは危険かもしれない。

「今後もこのような状況が続くのであれば、チェルシーはビリーを連れ戻すべきだ。それか、冬のマーケットで別のレンタル先を与えるべきだと思う。ノリッジはスカッド全体が十分なレベルに達していないからこの順位(20位)なんだ。ビリー自身にも足りない部分はあるかもしれないが、彼だけが悪いなんてことは決してない。なのに、ファンは彼に対して失礼なチャントを口ずさんだんだ」

「ビリーは間違いなくスケープゴートにされている。きっと、彼がレンタルされた選手だから標的にしやすかったんだろうね。でも、彼がいなければノリッジはもっと悲惨なことになっていたと私は思うよ。それでも、彼は批判されている。シーズンの終わりまでこれが続くようであれば、ビリーは6カ月間のキャリアを無駄にすることになると思う」(英『talkSPORT』より)

そんななか、このギルモアの現状についてはかつてアストン・ヴィラなどでプレイした元イングランド代表FWガブリエル・アグボンラホール氏もこのように語っている。希望に満ちた武者修行だったはずが、思わぬ形でファンからの批判の的となってしまっているギルモア。はたして、チェルシー期待の逸材は今後どのような時間を送っていくこととなるのだろうか。

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