これまで存在を知らなかった人もいるのではないか。
今季スペインの地で躍動しているのが、ビジャレアルFWアルノー・ダンジュマだ。
24歳のオランダ人アタッカーは国内の名門PSVのアカデミー出身者で、2016年に加入したエールディヴィジのNECでは2017-18シーズンにリーグ戦11得点を記録するなど順調なスタートを切っていた。
それもあって2018年にはオランダ代表デビューも果たすのだが、そこから伸び悩んだ時期があった。2018年にはベルギーのクラブ・ブルージュへ向かったものの、思うような活躍ができず。代表も2018年10月を最後に招集されなくなってしまったのだ。今夏のEURO2020でもメンバー外だ。
そんなダンジュマが昨季急にブレイクした。イングランド2部のボーンマスでリーグ戦15得点の成績を残すと、今夏ビジャレアルへ移籍。ここまで18試合に出場して9得点とダンジュマは大当たりだ。今季のブレイクプレイヤーと言っていいだろう。
左サイドから積極的に仕掛けるダンジュマのパフォーマンスは「ダンジュマジック」と称賛されており、今季はチャンピオンズリーグでも4得点と結果を残した。
伊『Calciomercato』によれば、ミランも3年ほど前にダンジュマをチェックしていたという。獲得は実現しなかったが、目利きは間違っていなかったことになる。
178cmとそこまで大きい選手ではないが、イングランドで揉まれたのかフィジカルコンタクトにも強い。ストップ&ゴーを駆使するなどオランダ人選手らしいドリブルテクニックもあり、ついに今年11月には再び代表に招集された。
今のオランダ代表にはメンフィス・デパイをはじめ、ドルトムントFWドニエル・マレン、PSVで堂安律とチームメイトのコーディ・ガクポ、ベルギーのクラブ・ブルージュで躍動するノア・ラングといった若いアタッカーに加え、アヤックスで結果を出す29歳のステフェン・ベルハイスなど、魅力的な選手が揃う。
しかし、ダンジュマが今の活躍を続ければ来年のワールドカップでポジションを確保することも不可能ではないはず。
2019-20シーズンにはボーンマスの一員としてプレミアリーグに参戦しながら無得点に終わる屈辱も味わった。あれから2年、ダンジュマは得点に絡めるアタッカーに生まれ変わり、世界に衝撃を与えている。