欧州でチャンピオンズリーグやヨーロッパリーグが盛り上がる中、カタールでは着々と来年のワールドカップへの準備が進んでいる。
現在カタールではワールドカップへのリハーサル大会も兼ねたアラブカップ2021が11月末より行われており、早くも戦いは決勝トーナメントに入った。
出場しているのは開催国カタール、チュニジア、アルジェリア、モロッコ、UAE、イラク、エジプト、サウジアラビアなど16チーム。ワールドカップなどと同じく16チームを4チームずつのグループに分け、各グループ上位2チームが決勝トーナメントへ進むというものだ。
ここで注目したいのは、やはり開催国カタール。10日にはベスト8でUAEを5-0で粉砕し、危なげなくベスト4進出を決めている。
カタールの興味深いところは、あの日本代表を破った2019年のアジアカップ決勝からチームの顔ぶれがほとんど変わっていないところにある。
UAE戦のスタメンを見ても、GKサアド・アッ・シーブ、DFアブドゥルカリーム・ハサン、バッサム・ヒシャム・アル・ラーウィー、ブッアッラーム・フーヒー、MFアブドゥラジズ・ハーティム、ハサン・アル・ハイドゥース、カリム・ブディアフ、FWアルモエズ・アリ、アクラム・アフィーフは日本戦に出場していた選手たちだ。
交代で入ったDFタレク・サルマン、FWアフマド・アラーディーンも日本戦に出場しており、ほぼ3年近く同じ顔ぶれということになる。
今回も全メンバーが国内クラブから選ばれているのも特長的で、同じメンバーで連携を深められている点は他国との大きな違いと言える。
28歳ながら代表キャップ数が115試合を数えるDFアブドゥルカリーム・ハサン、31歳でキャップ数103試合のMFカリム・ブディアフ、30歳で主将のMFアル・ハイドゥースは150試合を突破するなど、とにかく代表経験が豊富なメンバーが多い。
前線では日本も手痛くやられたアフィーフ、当時のアジアカップ得点王となったアルモエズ・アリの2人が変わることなくチームを引っ張っており、この連携も来年のワールドカップでどう機能するのか興味深い。
ワールドカップで目指すはグループステージ突破となるが、同じ面子で強化を続けてきたカタールは欧州や南米の相手とも互角に戦えるのか。確実に力はついているはずで、初出場だからと侮ることのできないチームだ。