冨安ら新生・鉄壁ラインで“無敗優勝ガナーズ”超えよ クラブ史に残る堅守軍団へ

戦いが安定してきたアーセナル photo/Getty Images

まずは失点数を30点以下にしたい

2010年以降のアーセナルでは攻撃面が話題に上がる機会が多く、アーセン・ヴェンゲル氏が指揮したチームは攻撃的で面白かった。

ただ、本当に強かった時のアーセナルは守備が堅かった。例えば1998-99シーズンだ。

当時は惜しくもマンチェスター・ユナイテッドに1ポイント差で優勝を譲ったが、アーセナルはプレミアリーグにて失点を17に抑えていた。残念ながら得点数が59と少なかったのだが、守備はプレミアの歴史に名を残すレベルと言っていい。
最終ラインにはリー・ディクソン、ナイジェル・ウィンターバーン、トニー・アダムス、マーティン・キーオン、中盤にはパトリック・ヴィエラ、エマニュエル・プティら戦える選手が揃い、驚異的な堅守を披露していたのだ。

さらに無敗優勝を成し遂げた2003-04シーズンだ。失点数は26と1998-99シーズンより多いが、優勝ラインとしては十分すぎる堅守だ。

ソル・キャンベル、コロ・トゥレ、アシュリー・コール、ローレン、ヴィエラ、ジウベルト・シウバなど、当時のチームも守備が安定していた。

アーセナルがプレミアリーグにて失点数を30点以下に抑えたのは2003-04シーズンが最後となっており、2010年代に入ってからが40失点を超えるシーズンも増えてしまった。

だが、そんな悪い流れも今季のチームなら断ち切れるかもしれない。そんな期待が徐々に高まりつつある。

大きいのは最終ラインの改革だ。新戦力となったGKアーロン・ラムズデール、DF冨安健洋は大ヒットで、センターバックに加わったベン・ホワイトも奮闘している。

さらにはセレソンにも招集されるようになったDFガブリエウ・マガリャンイス、左サイドバックを務めるキーラン・ティアニー、中盤ではファイトできるトーマス・パルティと新戦力のアルベール・サンビ・ロコンガが立ちはだかる。この若き新生・守備ユニットには、どこか過去のアーセナルを思い出させる期待感もある。

もちろんまだ過去のレジェンドチームと比較するには早すぎるが、久々に安定した守備のアーセナルが戻ってきた印象だ。サポーターも手応えを感じているはずで、何とか失点数を30点以内に抑えたい。

また、マルセイユにレンタル移籍中のDFウィリアム・サリバも忘れてはならない。仮に来季からサリバも復帰すれば、計算できるセンターバックは冨安も含めれば4枚になる。ローテーションしても十分な層の厚さと言えよう。まだまだ発展途上の最終ラインがどこまで化けるか楽しみだ。

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