冨安、ラムズデールはアルテタを《成功者》にする アーセナルを上位へ導く守備力

アーセナルを指揮するアルテタ photo/Getty Images

クラブOB招聘の成功例へ

2019年12月20日、アーセナルはクラブOBのミケル・アルテタを指揮官に招聘した。

近年はチェルシーがフランク・ランパード、ユヴェントスがアンドレア・ピルロを招聘するなど、クラブOBの青年指揮官にチームを託すケースも増えている。

しかし、成功率は決して高くない。ランパードとピルロは思うような結果を出せず、アルテタも昨季までは失敗例の方に分類されていた。
ところが、その流れが変わりつつある。アーセナルは開幕直後こそ不安定だったが、今は安定した守備を軸に勝ち点3を積み上げている。順位も6位まで上がってきた。

アルテタだけの手柄ではないが、大きいのは若い新戦力がヒットしていることだ。

GKアーロン・ラムズデール、DF冨安健洋、MFアルベール・サンビ・ロコンガら今夏の新戦力もヒットしており、彼らが守備の安定に貢献しているのは間違いない。

日本のファンは冨安の実力を理解しているため、プレミアリーグでも通用すると信じていた人も多いだろう。しかし、昨季までイタリアの中堅クラブであるボローニャでプレイしてきた冨安は世界的に有名な選手というわけではなかった。冨安のことをはっきりと知らなかったアーセナルサポーターもいただろう。

それはシェフィールド・ユナイテッドから引き抜いたラムズデール、ベルギーのアンデルレヒトから獲得したサンビ・ロコンガも同じで、英『Daily Mirror』は当初の想定を超えるヒットと驚いている。

世界的にはまだ無名に近かった彼らのおかげで守備が安定することになり、この目利きがアーセナルを再び上位へ押し上げている。トップ4は厳しくとも、まずはトップ6だ。ここなら十分に目指せるはず。

前線もブカヨ・サカ、エミール・スミス・ロウら若いチャンスメイカーを中心に魅惑のフットボールを展開できており、アルテタは一気に成功例へと入ろうとしている。

もうすぐ就任から2年だ。今季開幕直後はもうダメかと思われたが、守備の安定から流れは大きく変わりつつある。

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