J1はわずか10試合の出場も “令和のアジアの壁”が世界へと飛躍した理由は

アビスパ福岡でプロデビューした冨安 photo/Getty Images

アビスパ福岡時代に井原監督に見出される

今季からプレミアリーグのアーセナルへ移籍を決めた冨安健洋。日本代表でも中国戦から合流すると安定感のある守備で無失点に貢献する。代表でも欠かせない存在へと成長を続けている。

そんな冨安だがJ1ではわずか10試合の出場経験しかない。2016年にJ1へ昇格したアビスパ福岡だったがわずか1年でJ2へと降格。この年にJリーグデビューを果たした冨安は、翌年J2で35試合1得点とレギュラーに定着する。そして翌年にはシント・トロイデンへと移籍し海外への扉を開いた。

その福岡で冨安を起用し続けたのが、1998年に行なわれたFIFAワールドカップのフランス大会に出場し、“アジアの壁”と言われた井原正巳氏だ。井原氏は当時、J2へと降格した翌年も福岡の指揮官を続投し、冨安を積極的に起用する。それが功を奏し、冨安は着実にレベルアップを重ねていった。

現在は日本代表で吉田麻也との鉄壁CBコンビを形成する冨安。日本の最後ラインを支えた井原氏が日本の新たなディフェンスリーダーを見出したのだ。当時から身体能力やビルドアップの技術など高い評価を得ていた冨安だが、ここまで大きく成長したのは井原氏の指導が影響していることだろう。日本のキャプテンを務めていた男からの直々の指導は若い冨安にはたくさんの刺激となったはずだ。

これから冨安は世界有数のビッグクラブでレギュラー争いを戦うこととなる。アーセナルで主力を勝ち取ることができれば、世界に冨安の名を知らしめることとなるだろう。そんな“令和のアジアの壁”が世界に通用するのかこれから楽しみだ。

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