清武&丸橋封じに成功 “陰の好プレイ”でベルマーレを完勝に導いたのは 

攻守両面において、ハイパフォーマンスを披露した茨田(写真は4月3日の横浜F・マリノス戦)photo/Getty Images

前半のみの出場も、抜群の存在感

明治安田生命J1リーグの第26節が25日に行われ、湘南ベルマーレがセレッソ大阪と対戦した。

4分に右ウイングバックの古林将太のクロスが直接相手ゴールに吸い込まれ、ベルマーレが先制点をゲット。27分には茨田陽生のフリーキックにタリクがヘディングで反応して追加点を挙げたほか、42分にも茨田がミドルシュートを突き刺し、ベルマーレが試合の主導権を握った。

後半もカウンターで相手ゴールを脅かしたベルマーレは、左ウイングバックの畑大雅が52分に同サイドを突破。畑のパスを受けた大橋祐紀がベルマーレに4点目をもたらすと、67分には池田昌生が蹴ったコーナーキックを、途中出場の石原直樹がヘディングで軌道を変え、このボールに大岩一貴が反応。ダメ押しの5点目を挙げた。
84分に相手MF清武弘嗣にPKを決められたものの、ベルマーレは5-1でセレッソに勝利。J2リーグ降格圏の17位から、J1残留圏内の15位に浮上している。

ベルマーレが前半で試合の趨勢を決することができた最大の要因は、[4-4-2]の布陣のセレッソに対し、[5-3-2]の守備隊形でプレッシングを行ったこと。

セレッソは瀬古歩夢とチアゴの両センターバックを起点にビルドアップを試みたものの、タリクと大橋の2トップによるプレスに晒され、パスワークがままならず。タリクと大橋はセレッソの2センターバックにプレスをかけると同時に、藤田直之と奥埜博亮の2ボランチへのパスコースを塞ぎ、相手のパスをサイドへ誘導していた。

セレッソが自陣左サイドからビルドアップを試みた際に牙を剥いたのが、[5-3-2]の布陣の右インサイドハーフで起用された茨田。左サイドバックの丸橋祐介へのチェイシングをまめに行ったほか、サイドのレーンから中央への侵入を試みた左サイドハーフの清武を、何度も捕捉。この試合で1ゴール1アシストを記録した同選手は、献身的な守備でセレッソの強力な左サイドコンビを封殺した。

遅攻のキーマンである清武が茨田の執拗なマークに遭い、敵陣バイタルエリアで効果的にパスを捌けなかったことで、セレッソの攻撃は停滞。前半のみの出場に留まったとはいえ、攻守両面で奮闘し、チームを完勝に導いた茨田のパフォーマンスは特筆に値する。このオールラウンドプレイヤーが、ベルマーレにとって欠かせない存在であることが証明されたと言って差し支えないだろう。

記事一覧(新着順)

電子マガジン「ザ・ワールド」No.292 最強ボランチは誰だ

雑誌の詳細を見る

注目キーワード

CATEGORY:コラム

注目タグ一覧

人気記事ランキング

LIFESTYLE

INFORMATION

記事アーカイブ