2020-21シーズンにセリエAを制したものの、今夏の移籍市場では財政難からさまざまな主力選手を放出することとなってしまったインテル。なかでも、彼らにとって痛手となったのはエースとして大いに機能していたベルギー代表FWロメル・ルカクの流出だろう。最大7400万ポンド(約95億円)にものぼるとされる移籍金はクラブの財政を潤すはずだが、戦力的に見れば昨季セリエAで24ゴール10アシストを記録したストライカーの放出は間違いなく痛手だ。
その代役として、インテルはASローマからボスニア・ヘルツェゴビナ代表FWエディン・ジェコ(35)を確保。だが、彼ももう35歳の選手。セリエAではかなり実績のある選手だが、いつ衰えがきてもおかしくない年齢となっているのは間違いない。シーズン通してルカクの代わりをジェコに任せるのは、少し酷と言えるかもしれない。
そんな事情もあるだけに、インテルは今夏のうちにもうひとりストライカーを補強するのだろうか。伊『Gazzetta dello Sport』によると、同クラブはジェコのほかにもドイツ方面で新たなストライカーに目星をつけているという。
そのストライカーとは、ボルシアMGに所属するフランス代表FWマルクス・テュラム(24)だ。かつてユヴェントスなどで活躍したリリアン・テュラム氏を父に持つ同選手は、ボルシアMGで背番号10を背負うまでのプレイヤーに成長している。昨季は公式戦40試合に出場して11ゴール12アシストを記録。192cmの長身を活かした空中戦の強さやトップスピードでも身体の芯がブレないドリブルなど、アタッカーとして必要なあらゆる武器を併せ持っている。
本職はウインガーだが、CFとしてもプレイ可能なテュラム。実際、昨季終盤戦は主にCFでの出場が増えていた。確保できれば、ジェコとともにインテルの最前線を支える存在として十分に機能するだけのポテンシャルはあるはずだ。
しかし、唯一のネックとなるのはその移籍金。伊『calciomercato』によると、ボルシアMG側はテュラムを売りに出すとなれば、買い手側に4000万ユーロ程度の金額を要求するとのこと。ルカクを高額で売却したインテルだが、テュラムにそれだけのお金をかけている余裕はないだろう。
確保できれば大きな戦力となりそうだが、お金の問題が立ち塞がるテュラムの獲得。すでにインテルは同選手の代理人を務めるミーノ・ライオラ氏とコンタクトを取っているとされるが、はたして結末はどうなるか。今後もインテルの動きからは目が離せない。