ドイツ代表はどう“復活”するのか フリックに求められる本格的な世代交代

ドイツ代表はベスト16で姿を消した photo/Getty Images

攻守両面に課題がある

グループステージでポルトガル代表を4-2で撃破した際には強いドイツ代表が戻ってきたかに思われたが、EURO2020の冒険はベスト16でイングランド代表に敗れて終わってしまった。

ドイツはヨアヒム・レーヴ体制に終止符を打つことになり、これからはバイエルンで3冠の功績を残したハンジ・フリックの下でリスタートすることになる。

では、フリックはどうチームを変えていくのか。今回のEURO2020ではMFトニ・クロースが中盤をコントロールしていたが、クロースは代表引退を発表しイングランド戦が代表ラストマッチになった。
今後、ボランチはバイエルンでもお馴染みのジョシュア・キミッヒとレオン・ゴレツカが担うことになるだろう。フリックも2人のことを理解しているため、ここはスムーズに動くはず。

最終ラインはDFマッツ・フンメルスが復帰していたものの、こちらも今後のことは分からない。世代交代へバイエルンDFニクラス・ズーレなど世代交代に動くことになるかもしれない。

しかし2014年のワールドカップ・ドイツ大会を制したジェローム・ボアテング&フンメルスのようなセンターバックコンビを見つけるのは難しい。しばらくは我慢が必要だろう。

フリック体制での戦いが始まる photo/Getty Images

世代交代はスムーズに進むか

左サイドバックは今大会で結果を残した26歳のDFロビン・ゴセンスで計算できる。英『FourFourTwo』は今大会のドイツにおける数少ない収穫の1つにゴセンスを挙げており、このまま来年のワールドカップ・カタール大会を目指すチームでも主力となるだろう。

課題は攻撃陣にもある。EUROではカイ・ハフェルツが結果を残しており、今後の主軸となるだろう。しかし、相変わらず決定的な仕事をこなすセンターフォワードが不足している。

快速FWティモ・ヴェルナーを活かせるようフリックがチームのスタイルを変えていくのか、ハフェルツの偽9番を浸透させるのか。セルジュ・ニャブリ、若いジャマール・ムシアラ(18歳)など2列目のタレントはいるだけに、何とかセンターフォワード問題をクリアしたい。

トーマス・ミュラーも代表を続けるかは微妙なところで、フリックにとっては一番の課題か。ドルトムントFWユスファ・ムココ(16歳)の成長には期待できるが、さすがに来年のワールドカップは若すぎる。

いずれにしても若い世代を成長させることがドイツ代表復活への道になるのは間違いなく、フリックには大胆な世代交代が求められる。バイエルンではそのミッションを上手くこなしていたが、代表でもスムーズな世代交代を実現できるのか。

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