更にマンCが強くなるには? 来季は解決したいプレミア王者の問題点

指揮官であるジョゼップ・グアルディオラは来季をどう戦い抜くのか photo/Getty Images

流れを変える選手の存在は大きい

20-21シーズンのマンチェスター・シティはプレミアリーグ優勝にリーグカップ4連覇。CLではクラブ史上初となるファイナルに進出するなど、大きな躍進を見せたシーズンとなった。特にイルカイ・ギュンドアンやジョアン・カンセロといった既存戦力のパワーアップがそのままチームの地力を上げた形となった。

しかし、昨季改善できなかった問題が一つあった。それはターンオーバー時の戦力の低下だ。もちろん、これはどのクラブにも起こりうることだが、マンCはその落差が激しく、ターンオーバー時には全く別のチームになっている場合も少なくない。それはなぜなのか、一つは戦術の統一が出来ていなかったからだ。

昨季の終盤、特にCLやタイトルの掛かった国内カップ戦では、いわゆる偽9番を主に使っている。これは昨季の特徴であり、偽9番がなかったらここまでの成績は残せていない。

しかし、ターンオーバー時のリーグ戦や国内カップ戦では本来の9番を置く形や2トップ、3バックと多くの戦術を試していた。だが、どれもちぐはぐに終わり、偽9番の完成度に追い付くことが出来なかった。

その影響は偽9番を使用する大一番でも出ていたと言える。昨季の大一番、特にCLではほぼメンバーを固定しており、それが強さの秘訣であった。しかし、固定したがゆえに、交代で入る選手はピッチで戸惑うことも多く、本来の実力を示すことが出来ていなかった。選手層の厚いプレミア王者と言われることの多いマンCだが、それは守備陣のみに当てはまる言葉であり、攻撃陣の選手層は薄かったとも言える。

それは指揮官であるジョゼップ・グアルディオラの交代策にも表れており、CLファイナルのチェルシー戦こそ、3枚の交代枠を使ったが、パリ・サンジェルマンとの準決勝1stレグではオレクサンドル・ジンチェンコのみ。ベスト8のボルシア・ドルトムント戦でも2試合通じて交代選手は2人のみだ。

勝っているのであればそれでいいという声もあるだろうが、ベンチには流れを変えられる選手が不在であったことを示している。もちろん、その選手の実力も関係しているが、戦術の影響もあるだろう。

来季どのようなカタチで試合に臨むのかは分からないが、控えの選手を生かすためにも、戦術の統一は必須となりそうだ。

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