“日本史上最高DF候補”吉田麻也がもたらす安心感 セリエAで認められるリーダーの素質

U-24日本代表でも中心の吉田麻也 photo/Getty Images

最終ラインに堂々君臨

単純な守備力ならば、近いうちにボローニャ所属DF冨安健洋が抜いていくかもしれない。しかし、サンプドリア所属DF吉田麻也は今の日本代表に欠かせないセンターバックだ。

長谷部誠、本田圭佑、岡崎慎司といった先輩プレイヤーたちが日本代表を離れていることも影響したのだろうが、今や吉田は日本代表の精神的支柱となった。豊富な経験で若い選手たちを束ね、時には相手選手やレフェリーに感情を露わにし、チームを後方から的確にサポートしてくれる。

東京五輪では2012年のロンドン五輪に続いてオーバーエイジ枠で招集されているが、U-24日本代表でもすでにリーダーシップを発揮。守備のパフォーマンスだけでなく、精神的にチームを引っ張ってくれる吉田が後方に構えている意味は大きい。吉田の参加により、U-24日本代表の安定感は格段にアップした。
吉田に関してはカリアリFWジョバンニ・シメオネとのトレード説も浮上しているが、伊『Sampnews24』は「吉田のようなリーダーシップスキルを持つ経験豊富なセンターバックを手放すのは本当に賢い選択なのか?」と疑問を投げかけており、そのリーダーシップがセリエAでも認められていることが分かる。

サウサンプトン時代にはフィルジル・ファン・ダイクやデヤン・ロヴレン、ジョゼ・フォンテといった各国のリーダー的センターバックたちとプレイした経験もあり、吉田は彼らから守備技術以上のことを学んできたのだろう。今では非常に頼もしいセンターバックへと成長した。

今回の東京五輪はもちろん、来年に控えるワールドカップ・カタール大会でも最終ラインを統率するのは吉田の役目になるはず。過去には井原正巳、田中マルクス闘莉王、宮本恒靖、中澤佑二らが代表の最終ラインをまとめてきたが、海外での実績も合わせると吉田は日本歴代最高センターバック候補の1人と言っていい。

いつかはその評価も後輩の冨安に抜かれることになるかもしれないが、今は吉田が絶対的なリーダーだ。海外で日本人センターバックの印象を変えてくれた選手でもあり、吉田が東京五輪と来年のワールドカップで代表をどこまで導いてくれるのか楽しみだ。

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