もしかしてイタリアが“大会最強MF軍団”? いぶし銀な渋すぎる職人たち

トルコを粉砕したイタリア photo/Getty Images

堅実に仕事をこなす達人が揃う

ネームバリューだけで判断するならば、やや地味かもしれない。しかし、EURO2020開幕戦でトルコ代表を3-0で粉砕したイタリア代表のMF陣は圧巻のパフォーマンスだった。

派手なパスワークを見せるプレイヤーはいなかったが、今のイタリアの中盤には職人とも呼ぶべき選手が揃っている。何と言っても絶賛すべきはインターセプト4回、タックル成功数3回、パス成功率94%と抜群のゲームメイクを見せたジョルジーニョで、いきなり大会MVP級の渋いパフォーマンスを披露した。

チェルシーでチャンピオンズリーグを制するなどジョルジーニョは波に乗っており、堅実に仕事をこなしてくれる職人として高い評価を得る。相手のパスコースを読む能力にも長けており、イタリアの中盤にジョルジーニョがいる意味は大きい。
さらにインテルの主力としてスクデットに貢献した伸び盛りの24歳MFニコロ・バレッラも高い能力を誇る。豊富な運動量を活かしたアップダウンには迫力があり、中盤でハードワークしてくれる貴重な存在だ。

サッスオーロからビッグクラブへのステップアップが期待されている23歳のマヌエル・ロカテッリもトルコ戦では安定したプレイを見せており、こちらもハードワークしてくれる職人気質なプレイヤーだ。派手さはないが、計算の立ちやすいMFと言える。

しかもこのゲームではパリ・サンジェルマンの司令塔を務めるマルコ・ヴェッラッティが欠場しており、他にも怪我で代表を離脱したインテル所属MFステファノ・センシ、ローマMFロレンツォ・ペッレグリーニといったタレントも本来はEUROを戦う予定だった。

フランスのエンゴロ・カンテ、ポール・ポグバ、ドイツのトニ・クロースなど他国にもビッグネームはいるが、英『Squawka』はトルコ戦のパフォーマンスから「イタリアが大会最強の中盤を誇るのでは?」と絶賛している。

派手なテクニックばかりが優秀なMFの条件というわけではない。堅実に仕事をこなし、走り続けて中盤のギャップを埋める職人たちもチームには欠かせない。トルコをシャットアウトした守備陣を含め、今回のイタリアは安定感抜群な集団に仕上がっている。

ややイメージは違うかもしれないが、今のイタリアもカテナチオの名にふさわしい堅守を誇っている。ハードワークできる中盤もそれを支えており、イタリアが今大会最も優秀なMF陣を抱えているとの評価も間違いではないかもしれない(データは『Squawka』より)。

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