[MIXゾーン]これが王者・川崎が近年大成功を収めてきた理由だ 首位決戦後に見せた姿勢 

敵地で名古屋に快勝した川崎 photo/Getty Images

名古屋を相手に4得点快勝も、常に上を目指す

現在首位に立つ川崎フロンターレは29日、前倒しで開催された明治安田生命J1リーグ第22節で、2位の名古屋グランパスと対戦した。

敵地に加えて悪天候と、難しい状況の中での戦いではあったが、普段通り立ち上がりから攻勢に出た川崎。怪我から復帰し、約1ヶ月ぶりのスタメンに名を連ねた旗手怜央が、開始早々の3分にゴールネットを揺らしてゴールラッシュの口火を切る。そして、10分、23分とレアンドロ・ダミアンが立て続けに追加点をゲット。さらに後半には、途中出場を果たした遠野大弥が84分にダメ押しとなるゴールを決め、4-0で名古屋を撃破した。首位攻防戦を制し、開幕戦からの無敗記録を「13」まで伸ばした川崎(11勝2分)は、2位名古屋との勝ち点差を「6」まで広げ、早くも首位を独走している。

川崎は今季も開幕戦から圧倒的な強さを見せている自慢の攻撃力で、12試合でわずか3失点だった相手の堅守から30分経たずして3点を奪うと、90分間通して名古屋のこれまでの合計失点数以上のゴール数を奪って見せた。変則的な日程により、次戦(5月4日開催)も名古屋との首位決戦という極めて重要な連戦。その初戦で王者らしい戦いを披露し、白星を勝ち取ったのだ。ここまで素晴らしい戦いを披露してきた名古屋でさえ完敗を喫したこの試合内容を見て、今季も川崎を止めるのは非常に困難であることを再認識したサッカーファンも少なくないのではないか。
しかし、チームの指揮官を務める鬼木達監督や選手たちは今回の結果を喜びつつも、自分たちのサッカーにまだまだ満足はしていない。これがフロンターレが王者たる所以で、近年大成功を収めてきた理由だろう。常に自分たちにベクトルを向けながらさらに上を目指している、試合後のインタビューで彼らからそんな姿勢を垣間見ることができた。

◯鬼木達監督
「1位と2位の対決なので、本当に大事なゲームだと思って入りました。そういう意味でいうと、選手が気持ちを存分に出してくれたと思います。最後も(失点を)ゼロに抑えて、しっかりと得点も重ねたということで、本当に気持ちの入った良いゲームをしてくれたと思います。ただ、次また続くので、もう頭は切り替えていきたいとは思っています」

「今日、アウェイで勝てたということは、すごく大きいとは思います。ただ、選手にも伝えましたけど、この勝利に一喜一憂するのではなくて、やはり(次戦の)ホームで勝たなくては意味がないので、今日よりも気を引き締めて戦いたいと思っています。(次戦への)プラン自体は相手もあることなので、少し考え直すところは直さなきゃといけないかなと思っています。後半のところも、3点リードしていたのもありますけれども、少し相手にボールを持たれる時間だったりあったので、いろいろ改善できるところはまだまだあるかなと思っています」

◯旗手怜央
「(狙いは)そこまで明確なものはないんですけど、僕の場合意識していたのは、ゴール前や近くに行って足を振るということは意識していました。それが僕のああいうゴールにつながりました。あとは、相手の状況を見てやるというのも、名古屋だけじゃなくて、常に言われていることです。それがこの形になったかなと思います。早く点を取れるとは思っていませんでした。あの点が入って、みんなはどう思っているかわからないんですけど、僕個人的にはホッとしたというか、気持ちにちょっとした余裕もできました。それが悪い方向じゃなくて、良い方向に行ってくれたので、すごく良かったなと思います」

「(名古屋との連戦の初戦勝利に関して)僕個人的には復帰戦だったので、ちょっと緊張していた部分はありました。ただ、監督が言っていたように、プライドとプライドの勝負で、気持ちの部分でまず上回るということ。あとは本当に細かいところで、フロンターレだったらやっぱり攻撃の質だったり、球際だったりというのはこだわってやっていました。僕自身としてはインサイドハーフということで、普段とはまた違うポジションでした。結果にこだわらないといけないポジションでもあったので、ゴールやアシストというのは、絶対に残したいなという思いで常にやっていました。それがああいう早い段階でできたのは良かったですけど、もっとゴールを取れたシーンはありました。そこに関しては、もっともっと突き詰めていきたいなと思っています」

「(前回インサイドハーフとして出場した第7節)大分戦に比べては、ゴールに向かう回数も多かったし、ペナルティエリアの近くでプレイする回数も多かったです。ただ、やっぱりもっと多くゴールを決めるためには、もっともっとペナルティエリア内で顔を出さないといけないですし、たくさんボールを触って行かないといけないなと思いました。前回に比べて、ゴールへの意識というのは高まっていたと思うんですけど、もっともっとやれるんじゃないかなとは個人的に思っています」

はたして、ホームの等々力陸上競技場で行われる次戦もフロンターレらしさを発揮し、名古屋から連勝を飾ることはできるのか。

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