降格圏に沈む“豪華軍団”が見せた意地 カリアリは逆転残留を勝ち取れるか

選手・スタッフ総出で喜びを分かち合うカリアリ photo/Getty Images

後半AT弾2発でパルマに大逆転勝利

豪華なメンバーを揃えるも、セリエAで降格圏に沈んでいるカリアリは、残り7試合で意地を見せ、逆転残留を勝ち取ることができるのか。

かつて欧州最高のセンターバックと言われたDFディエゴ・ゴディンを筆頭に、元リヴァプールのDFラグナル・クラバン、元ユヴェントスのDFダニエレ・ルガーニとMFクワドゥ・アサモア、現役ウルグアイ代表のMFナイタン・ナンデスとMFガストン・ペレイロ、セリエAで多くの実績を残しているMFラジャ・ナインゴランなど、すでにその名が欧州に知れ渡った経験豊富な選手を揃えているカリアリ。所属している選手たちの名前やこれまでの経歴を見れば、欧州コンペティションの出場権争いを繰り広げていてもなんら不思議ではないだろう。

しかし、現実は30試合消化して5つの白星(5勝7分18敗の勝ち点「22」)しか手にすることができず、降格圏内の18位に低迷。残留圏内に付けている17位トリノとは勝ち点差「5」(トリノは1試合未消化)、16位ベネヴェントと15位フィオレンティーナには同「8」も離されてしまっているのだ。カリアリは残留へ向けて黄色信号が灯っている。
そんな中、17日に行われたセリエA第31節で、残留争いを繰り広げる19位パルマ(勝ち点「20」)との直接対決に臨んだカリアリ。2点のリードを奪われる苦しい展開となったが、チームのキャプテンを務めるジョアン・ペドロが先日、クラブの公式サイトのインタビューで「時間はある。我々はまだ自分たちを救い出すことができる。諦めることは許されない」と述べていた通り、カリアリは最後まで諦めないプレイで意地を見せた。

66分のMFラズヴァン・マリンのゴールで1点差まで詰め寄るも、90分が経過した時点で2-3。カリアリはこのまま敗れてしまうかに思われたが、後半アディショナルタイムに劇的な展開を迎える。91分にペナルティエリア手前の右斜め45度の位置からMFガストン・ペレイロがゴールネットを揺らして同点に追いつくと、勢いそのままにFWアルベルト・チェッリが93分にヘディングでゴールを決め、逆転勝利を収めたのだ。

チェッリのゴール後や試合終了後には、選手・スタッフ総出で喜びを爆発させ、チームの一体感が見られた。敗れたものの前節インテル戦での善戦に続き、今節の大逆転勝利と、カリアリは残留へ向けて勢いの乗るかもしれない。

残りの試合でローマ(第33節)やナポリ(第34節)、ミラン(第37節)といった強豪との対戦を控えているカリアリだが、残留争いを繰り広げるフィオレンティーナとの対戦も残されている。強豪クラブを相手に引き分け以上で勝ち点を着実身積み上げつつ、フィオレンティーナとの直接対決を制することができれば、カリアリは来季もイタリアのトップリーグで戦うことができるのではないか。

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