2019年夏の移籍市場にて、アーセナルはまだ誰も知らないような若きアタッカーをブラジルから連れてきた。その名はガブリエウ・マルティネッリ。彼はそれまでブラジル4部のクラブに所属していた、いわばほぼ無名の選手だった。獲得当初はSNS上で、「なぜこんなにも未知数な選手を獲得したのか」なんてファンの声も上がっていたことは記憶に新しい。
しかし、この18歳はそんな周囲の懐疑的な目も気にすることなく、加入初年度から素晴らしいパフォーマンスを披露した。2019-20シーズンは最終的に公式戦26試合の出場で10得点をマーク。ブラジルから来た“謎の男”は、瞬く間にガナーズの希望となってみせたのだ。怪我に苦しめられつつではあるが、今季も試合に出場すれば期待感溢れるプレイを見せてくれる同選手。アーセナルにとってはまさに掘り出し物だったと言える。
そんな彼に続く逸材を、アーセナルはまたもブラジルから引っ張ってこようとしているのか。英『Daily Mail』によると、今夏のガナーズは文字通り“NEXTマルティネッリ”の獲得を企てているという。
その選手とは、フルミネンセに所属するMFマテウス・マルティネッリ(19)だ。今季正式にフルミネンセの下部組織からトップチームに昇格したばかりの同選手。当時4部相当のイトゥアーノから引き抜かれたガブリエウほど無名ではないものの、まだ若い伸び盛りの選手だ。
ポジションは守備的MFで、中盤の深い位置から大きく局面を変えるロングパスを最大の武器としている。守備の能力に関しても相手の動きをよく見てボールを奪い取る技術が光り、そのプレイには高いインテリジェンスを感じさせるものも多い。うまく欧州のサッカーに適応することができれば、その展開力を武器にガナーズの中盤を支配する選手となることも可能か。
『Daily Mail』によると、そんなマテウスにアーセナルは3500万ポンド(約52億6000万円)程度のオファーを提示する見込みだという。少々割高な印象も受けるが、まだ19歳のタレント候補だけにこの金額も致し方ないか。むしろ、670万ポンド程度で獲得できたガブリエウがお買い得すぎたと言える。
はたして、新たなスター候補を発掘したいアーセナルは今夏ブラジルの若きMFを確保することができるのか。来季はプレミアリーグの舞台で、2人のマルティネッリの共演を見ることができるかもしれない。