近年、イングランド代表では多くの優秀な若手が次々と頭角を現してきている。DFトレント・アレクサンダー・アーノルド、MFフィル・フォデン、FWジェイドン・サンチョ……。例を挙げればキリがない。同国の育成が順調に進んでいるのは、こういった部分を見ても明らかといえるだろう。
そんな“若手の宝庫”といえるイングランド代表に、近い将来またも新たなワールドクラスのヤングタレントが加わることになるかもしれない。NEXTブレイク候補として期待したいのは、PSVで頭角を現すFWノニ・マドゥエケ(19)だ。
今季はここまで公式戦27試合に出場して9ゴール8アシスト。怪我の影響で離脱した時期もあったが、マドゥエケはまだ19歳ながらエールディヴィジで2位につけるPSVで主力となっている。本職はウイングで力強いドリブルを武器とする選手だが、トップチーム昇格以降はCFとしての才能も開花。本人曰く「下部組織時代に(U-18チームの監督を務める)ルート・ファン・ニステルローイから教わった」という駆け引きの巧さを駆使して、さまざまなパターンから得点とアシストを量産するアタッカーに進化している。
そのほか、トップ下のポジションでもプレイ可能なマドゥエケ。このユーティリティ性も、イングランド代表にとっては大きな武器となることだろう。周囲の予想を遥かに超えるスピードであらゆる武器を手に入れている19歳。スケールは間違いなく大きい。
「ノニには非常に大きな才能があると私も思っている。今回U-21代表で彼を起用できることに私は興奮しているよ。フィル(・フォデン)のようになれると思う。彼も最初は全く無名の選手だった。だが、このステージで結果を残したことにより、フィルにはその後の道が拓けたんだ。私はノニも同じようなステップアップを果たせると思うね。少し電話で話したけど、彼はキャラクターも素晴らしい。きっと短時間でチームに良い雰囲気をもたらしてくれるはずさ」(英『Daily Mail』より)
そんなヤングタレント将来には、U-21イングランド代表のエイディ・ブースロイド監督もこのように期待を寄せる。ここのところA代表に定着しつつあるフォデンも、世代別代表で結果を残して現在の成功を掴んだ選手。そんな彼と同じ匂いをブースロイド監督はマドゥエケに感じているようだ。
2018年にトッテナムの下部組織から飛び出し、オランダで着実に成長を見せているマドゥエケ。はたして、この19歳は昨今のイングランドにおける若手ブレイクラッシュの大波に乗っていくことができるか。このまま順調に能力を伸ばしていけば、2022年のカタールW杯におけるメンバー入りも夢ではないはずだ。