名門復活までの道のりは険しいか ローマが抱える“大一番に弱い”という悩み

現地時間28日に行われたミラン戦にも敗れてしまったローマ photo/Getty Images

良い方向に向かっているのは確かだが……

各方面から“今季好調”と言われつつも、イタリアの名門が完全復活を遂げるまでの道のりはなかなかに険しいものとなるかもしれない。その名門とは、セリエAでここまで5位につけているASローマだ。

2020-21シーズン、一時は3位にまでその順位を上昇させていたジャッロロッシ。現在は5位に後退してしまったものの、4位アタランタとの勝ち点差はわずか2ポイントとなっている。ここからの踏ん張り次第では、3シーズンぶりとなるチャンピオンズリーグ出場権を獲得することも可能だろう。ここ数試合で怪我人が続出しているものの、万全の状態を整えればまだ戦える。今季のチームにはそんな期待感があると言っていい。

MFペドロ・ロドリゲスやDFマラシュ・クンブラを獲得し、MFヘンリク・ムヒタリアンやDFクリス・スモーリングといった選手を完全移籍に移行させることにも成功した今季のローマ。着実に戦力は整いつつある状況と言っていい。これに来夏の補強を加えれば、2021-22シーズン以降に再び彼らがスクデット争いへ返り咲く可能性も決して低くないはないだろう。来季以降の名門復活を、ファンは期待しているに違いない。
しかし、それを目指すにあたって、現在のローマには今後克服すべき大きな不安要素がある。スカッドの各所に実力者が揃い始めたのはいいものの、2020-21シーズンの彼らは他の上位勢に相性の悪さを露呈している。実は同クラブ、各方面から“今季好調”と言われてはいるものの、ここまでのリーグ戦24試合で上位6チーム(7位まで)相手にただの一度も勝ち星をあげることができていないのだ。現地時間28日に行われたACミラン戦にも敗れたことで、その戦績は3分5敗に。確実に良い方向へと向かってはいるのだが、スクデット獲得に向けての“最大の障害”は克服することができていない。

また、そのなかでは上位勢に一方的な試合展開を繰り広げられることも少なくない。第9節ナポリ戦(0-4)、第13節アタランタ戦(1-4)、第18節ラツィオ戦(0-3)、第21節ユヴェントス戦(0-2)といった試合は、すべてローマの完敗と言える内容だった。一度崩れてしまうと、その後なかなかペースを取り戻せないことも多いジャッロロッシ。さらに上を目指すのであれば、今季のうちにこの苦手意識は克服しておきたいところだ。

格下相手の取りこぼしが減少したのは喜ばしいことだが、なかなか大一番で結果を出すことができないローマ。はたして、パウロ・フォンセカ監督はこの勝負弱さをを今後どのように改善していくこととなるのだろうか。2020-21シーズンのうちに、同監督はこの“ビッグマッチに弱い”というローマのイメージを少しでも払拭しておきたいところだ。

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