ピッチ内外で絶大な影響力を持つイブラの凄さ 後輩たちの良い“カンフル剤”に

ミランを躍進させるイブラヒモビッチ photo/Getty Images

イブラにとっては平常運転

どんなチームへ行っても、ズラタン・イブラヒモビッチほどピッチ内外で影響力を持つ選手はなかなかいないだろう。

今年40歳の誕生日を迎えるイブラヒモビッチは、これまでアヤックスやユヴェントス、インテル、バルセロナ、ミラン、パリ・サンジェルマン、マンチェスター・ユナイテッドといった名門クラブでプレイ。優勝請負人として歴代所属クラブに多くのタイトルをもたらしており、その数は「30」を超える。個人としても、セリエAやリーグ・アンで得点王に輝いたり、各国リーグで優秀選手に選ばれたりと、数々の栄光を手にしてきた。自身を「神」と豪語するに恥じない結果と言ってもいいかもしれない。

そんな“神”が昨冬、新天地に選んだのが2010年夏から2シーズンにわたってプレイしていたミランだ。近年低迷していた古巣の窮地に立ち上がると、今季は怪我に苦しめられる場面がありながらも、第21節終了した時点で14ゴールの大活躍(11試合に出場)。チームをセリエAの首位へ導いており、このミラノの名門クラブに光を灯してみせたのだ。39歳ということもあり、現在のイブラヒモビッチに以前ほどの運動量やスピードはないかもしれない。ただ、強靭なフィジカルや圧倒的な空中戦、ゴール前での迫力、相手への威圧感は健在で、衰え知らずの怪物として今もなおライバルクラブたちの脅威となっていることは間違いない。

そして、イブラヒモビッチは試合での活躍はもちろんのこと、トレーニングへの姿勢やピッチ外での行動も素晴らしい。これまでもミランのチームメイトたちがメディアの前でイブラヒモビッチの凄さや“愛のあるムチ”を口々に語ってきたが、アルジェリア代表MFイスマエル・ベナセルも先日、仏『AFP』のインタビューで「ズラタンはミランの若いチームメイトたちの背中を押さなければならないときでも、容赦ないんだよ。時折ピッチで彼が叫んだりしているのを目にするけど、彼が何も言ってくれないよりはマシだけどね。彼は僕たちにたくさんのものをもたらしてくれるし、自身の持っているすべての経験をもとに、僕たちを最高のレベルへと導いてくれる。たくさんのアドバイスもくれるし、イブラヒモビッチは新世代を担う若き逸材たちの先導者になっているよ」と明かしていた。

また、昨年11月にはチームメイト全員に最新の人気ゲーム機「PS5」をプレゼントしたことも話題になっていた。こういったイブラヒモビッチの行動が後輩たちの良いカンフル剤となり、若き逸材たちの能力発揮やチーム全体の雰囲気向上に大きな影響を与えていることだろう。その結果、今季のミランの躍進や復活劇につながっているにちがいない。

ただ、これらの行動はミランを復活させるためだけに行っているものではなく、イブラヒモビッチにとっては平常運転で、以前から変わらないものだ。名実ともに世界トップクラスの選手になっても、人一倍試合中に闘志を見せ、真剣にトレーニングに励む姿も有名。

マンU時代の同僚ルーク・ショーは以前、イブラヒモビッチについて「今までにないほど素晴らしい選手。ちょっとしたトレーニングでも勝つことができなければ、彼は同じチームにいた選手を殺す。彼と同じチームで負けてしまったら死んじゃうので、練習からみんなが全力を尽くしていたね。ただ、質問できる関係でもあったし、みんなが彼のことを大好きだったよ」とコメントした。PSG時代の同僚ハビエル・パストーレも「ロッカールームでの振る舞いも素晴らしいし、カメラの前で見せる傲慢さ以上に、仲間のために死ぬほど戦う。最高のキャプテンだ」と口にしていた。

若手の素晴らしいお手本、そして良い兄貴分としてチームを牽引するイブラヒモビッチの存在は、どのクラブへ行っても貴重な存在。特に、経験豊富な選手が少なく、才能あふれる若手が多いミランのようなクラブとなれば尚更だ。まもなく40歳という年齢を考えると、自身のコンディション維持だけでも大変だろうが、“神”はミランに10年ぶりの栄光をもたらすことができるのか。

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