ついに覚醒した“ロナウドの後継者”の快進撃 鎌田大地らとの相性も抜群

フランクフルトの攻撃を支えるA・シウバ photo/Getty Images

ブンデスリーガで19試合17ゴール

かつてクリスティアーノ・ロナウドの後継者と呼ばれた男が、ドイツの地でついに覚醒し、真価を発揮し始めた。

その男とは、フランクフルトに所属するポルトガル代表FWアンドレ・シウバだ。1995年11月6日生まれで、現在25歳のA・シウバは、母国の名門ポルトでプロとしてのキャリアをスタート。トップチーム昇格2年目となる2016-17シーズンに、リーグ戦では32試合に出場して16ゴール6アシスト、チャンピオンズリーグでは8試合に出場して2ゴール2アシストと結果を残し、一躍脚光を浴びると、2017年夏にACミランへの移籍を果たした。

ポルトでの活躍や、20歳でA代表デビューを飾って以降ポルトガル代表の主力としてプレイしていたこともあり、低迷するイタリアの名門の救世主として期待されたA・シウバ。しかし、新天地ではヨーロッパリーグのグループステージでこそ6ゴールを記録したが、リーグ戦では24試合に出場してわずか2ゴールと、なかなか結果を残すことができず。翌2018-19シーズンにはセビージャへレンタル移籍したが、スペインでも公式戦40試合で11ゴールにとどまり、苦戦を強いられた。
そして昨季、A・シウバが戦いの舞台として4カ国目に選んだのがドイツの地。フランクフルトでも序盤戦から中盤戦までは、イタリアやスペインと同様に新天地への適応に苦しんだ。しかし、新型コロナウイルスの感染拡大によるリーグ戦の中断で、自分自身を見つめ直したり、例年のレギュラーシーズン中ではありえないような多くの時間をチームメイトたちとのトレーニングに費やしたりしたことが功を奏したのか、再開後は10試合で8ゴール1アシストと大爆発。シーズン終了後にはフランクフルトへの完全移籍を勝ち取った。

今季のプレシーズンは短く、多くの選手にとって難しい夏だったかもしれないが、昨季終盤戦で好調だったA・シウバにはポジティブにはたらいているかもしれない。昨季の勢いそのままに、ここまで公式戦21試合に出場して18ゴール5アシスト。そのうちブンデスリーガでは19試合17ゴールを記録しており、第12節ボルシアMG戦では絶妙な裏への飛び出しと華麗なトラップからスーパーゴールを決めた。また、日本代表MF鎌田大地やセルビア代表MFフィリップ・コスティッチとの相性や関係性がよく、第20節ホッフェンハイム戦では、この3名による圧巻のカウンターでゴールネットを揺らす場面もあった。

A・シウバはブンデスリーガの得点ランキングで、バイエルン・ミュンヘンのロベルト・レヴァンドフスキ(24ゴール)に次いで2位につけている。この数字は欧州5大リーグで見ても、モハメド・サラーや偉大な先輩ロナウド(ともに16ゴール)を抑えて2番目に多い数字だ。これらの活躍が認められ、移籍情報サイト『transfermarkt』による最新の市場価値は、自身のキャリアハイとなる3700万ユーロ(約47億円)の値がつけられている。ベルント・ヘルツェンバイン氏が樹立したフランクフルトのリーグ戦でのシーズン最多得点記録「26ゴール」を更新し、クラブの歴史に名を刻む可能性も十分にあるだろう。

フランクフルトは現在、リーグ戦で9試合負けなし(7勝2分)となっており、序盤戦の不調が嘘かのように4位まで順位を押し上げているが、A・シウバは今やそんなチームに必要不可欠な選手となっている。疲れが見えてくるシーズ後半戦でもこの調子を維持し、快進撃を続けることができるのか。

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