ベイルは過大評価されたアタッカーなのか 分かりにくい“全盛期”

トッテナムへ戻ってきたベイル photo/Getty Images

今季も思うように活躍できず

トッテナムでブレイクしてレアル・マドリードへ向かい、そして昨夏トッテナムへ復帰したFWガレス・ベイル。ワールドクラスの実力者なのは間違いないが、評価の難しい選手であることも事実だ。

まだ31歳と老け込む年齢ではないが、復帰したトッテナムでも出番は増えていない。相変わらず怪我と付き合いながらのキャリアとなっており、全盛期を過ぎたと言われても仕方がないだろう。

では、ベイルの全盛期とはいつだったのか。成績だけを見ると、キャリアハイの数字を残したのはトッテナムでのラストシーズンとなった2012-13シーズンだ。このシーズンはベイルがキャリアで唯一リーグ戦20得点超えを達成したシーズンでもある。全コンペティションを合わせると44戦26得点と、一気に才能が開花した印象だ。
それまでプレミアリーグで二桁得点を達成したことは1度もなかったため、かなりのジャンプアップだ。このシーズンを機にベイルはワールドクラスのアタッカーと評価されるようになった。

その活躍をレアル・マドリードでも続けたいところだったが、ややインパクトに欠けた。移籍初年度の2013-14シーズンはリーグ戦15得点を記録し、チャンピオンズリーグ決勝でも劇的なゴールを記録。続く2014-15シーズンはリーグ戦13得点、2015-16シーズンには19得点を挙げるなど、まずまずの数字は残している。しかし、トッテナム時代の数字を超えることは出来なかった。クリスティアーノ・ロナウドが主役のチームで得点にこだわるのが難しかった部分もあるのかもしれないが、レアル時代を全盛期と言うのは意見が分かれるところか。

EURO2016ではウェールズ代表をベスト4へ導き、2017-18シーズンはチャンピオンズリーグ決勝のリヴァプール戦で華麗なオーバーヘッドシュートを叩き込むなど、その後も瞬間的な輝きはあった。しかし怪我の多い選手とのイメージも定着し、2010年代後半はガラスの天才になってしまった印象だ。

2018-19シーズンはリーグ戦8得点、昨季は2得点、そして今季は現時点で1得点。才能は確かだが、数字だけを見ると過大評価されているアタッカーとも言える。

トッテナム復帰が決定した際にはサポーターも歓喜したが、その期待に応える時はくるのか。このまま終わってしまう展開だけは避けたいところだ。

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