とにかく走り続ける“ゲンキ”なサムライ 欧州で通用する日本屈指のスプリント力

ハノーファーで活躍する原口 photo/Getty Images

日本代表でも貴重な存在

欧州主要リーグで戦っていくためには強靭なフィジカルが必要となるが、フィジカルとはパワーだけを指すものではない。走力も極めて重要なフィジカル要素の1つだ。

その点において、ハノーファーでプレイする日本代表MF原口元気は特別な力を持っている。海外の選手とパワーで勝負するのは難しいが、原口の場合は90分間を走り抜くスピードと運動量がある。この部分は日本人選手の中でもかなり高いレベルの能力を備えている。

ハノーファーは現在ブンデスリーガ2部に所属しているクラブだが、2部でも原口の走力は目立っている。今季ここまでの総走行距離では、リーグで9番目に多い186kmを記録。ハノーファーの中ではトップの数字で、もっとも走っているのが原口だ。
さらにスプリント回数もリーグで7番目に多い444回を記録。出場したリーグ戦17試合のうち11試合でフル出場しており、運動量の部分は圧倒的だ。長い距離をスプリントすることも可能で、その強みを活かして日本代表でウイングバックを任されることもある。この走力は2022カタールワールドカップを目指す日本代表にとって大きな武器となるだろう。

加えて守備力も高く、今季はタックル成功数もリーグ7番目に多い39回を記録している。長い距離を走り、粘り強く相手を追い回すことが出来る原口のような選手は指揮官にとっても計算しやすい。ハノーファーでもウイング、攻撃的MFなど複数のポジションを任されており、信頼は厚い。2部で4得点5アシストの数字はやや物足りないかもしれないが、そのユーティリティー性は欧州でも十分に通用するレベルだ。

浦和レッズで活躍し始めた頃の原口はやんちゃなテクニシャンとのイメージもあったが、欧州へ渡ってからは走力と守備意識の部分が大きく伸びた。これこそ2014年のヘルタ・ベルリン移籍から7年間ドイツで戦い続けることが出来ている理由の1つだ。

ハノーファーが目指すのは1部昇格だが、それに失敗した場合は今夏の移籍もあり得るという。独『Express』も原口にブンデスリーガ1部のケルンなど複数クラブが関心を示していると伝えており、ハノーファーでのパフォーマンスは一定の評価を得ている。

原口は2022カタールワールドカップを目指す日本代表においても特別な存在だが、今後のキャリアはどうなっていくのか。今年の5月には30歳を迎えるが、その走力はまだ衰えることはない(データは『WhoScored.com』とブンデスリーガ2部公式より)。

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