ピルロの仕事はハードすぎる ユーヴェの中盤、最終ラインのクオリティは落ちた

ユヴェントスを指揮するピルロ photo/Getty Images

今季の優勝は難しいか

1試合消化が少ないものの、現時点で5位ユヴェントスと首位ミランの勝ち点差は10に広がっている。セリエA10連覇の偉業へ黄信号が灯っているのは間違いないだろう。

ユヴェントスは先日インテルとの上位対決を0-2で落とすことになり、指揮官アンドレア・ピルロへの視線も厳しくなりつつある。とはいえ、今季から指揮を執るピルロを責めるのは難しいだろう。ピルロは指揮官としての経験も少なく、就任のタイミングも決して楽なものではなかったからだ。

ユヴェントスは世代交代の時期を迎えており、インテル戦で先発したDFジョルジョ・キエッリーニとレオナルド・ボヌッチの2人も全盛期の輝きはない。すでにマタイス・デ・リフト、メリフ・デミラルの若手センターバック2人を加えているとはいえ、最終ラインは世代交代の真っ只中だ。
ピルロが現役だった頃はアンドレア・バルザッリ、キエッリーニ、ボヌッチ、さらにGKジャンルイジ・ブッフォンを軸に鉄壁の守備を形成していたが、その時代も終わりだ。ユヴェントスは欧州で戦える新たな守備ユニットを作っていかなければならない。このミッションは簡単にこなせるものではない。

ユヴェントスは先日インテルに敗れてしまった photo/Getty Images

新たな時代をピルロと一緒に作れるか

中盤もアーロン・ラムジー、アドリエン・ラビオ、ウェストン・マッケニー、ロドリゴ・ベンタンクールなど実力者が揃い、世代交代も進みつつある。しかし、ここもピルロが現役だった頃に比べるとインパクトが薄い。ポール・ポグバ、アルトゥーロ・ビダル、クラウディオ・マルキジオ、ピルロで形成していた2010年代前半の頃と比較すると、やはり中盤のクオリティは落ちている。

今回のインテル戦でも中盤で主導権を握れず、ビダル、ニコロ・バレッラ、マルセロ・ブロゾビッチ擁するインテルの方が機能していた。今のユヴェントスの中盤をセリエAトップクラスと呼ぶのは難しいのではないか。

最前線では相変わらずクリスティアーノ・ロナウドが奮闘しているが、ロナウドもベテランだ。こちらの世代交代も検討していかなければならない。

今季はミラン、インテルの調子も良く、ピルロにとってはかなり厳しい状況となっている。勝ち続けながら世代交代を推し進めるのは難しいミッションであり、今の5位という成績でもピルロを一方的に責めることは出来ない。

このままでは今季の優勝は難しいだろう。問題は来季からの戦いだが、ユヴェントスは再びセリエAを支配するチームを作っていけるのか。1つの時代が終わろうとしているのは確かで、ユヴェントスも大きく変化する時を迎えている。

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