もうひとつ上の選手になるには 久保建英の“限られた得点パターン” 

まだ久保はリーグ戦無得点 photo/Getty Images

PAから7本のシュートで無得点

昨季レンタル先のマジョルカで自慢のテクニックを存分に披露し、今季からはよりレベルの高いビジャレアルへのレンタル移籍を掴んだ日本代表MF久保建英。昨季から順調にステップアップ出来ていると言えるが、もう一段上のプレイヤーになるためには何が必要なのか。

やはり求められているのは得点力アップだ。ビジャレアルではプレイタイムが限られているとはいえ、何度か決定機を逃してしまっている。特に気になるのはペナルティエリア内からのシュートで、あと一歩で決まりそうなシュートがなかなかネットに届かない。6日のエルチェ戦でもペナルティエリアから放ったシュートが相手GKを脅かしたが、左手で惜しくもセーブされてしまった。

マジョルカ時代に比べるとビジャレアルでプレイしている今季の方がペナルティエリアで迎えるチャンスの数は多い。昨季はリーグ戦2309分間をこなしてペナルティエリアからのシュートは26本だったが、今季は235分間のプレイタイムに留まりながらも7本のシュートをペナルティエリアから打てている。ただ、残念なことに今季は1つも得点に繋がっていない。
昨季久保はマジョルカでリーグ戦4得点を記録したが、得点パターンは限られていた。奪った4得点のうちの1点は味方のシュートのこぼれ球を押し込んだものだったが、残りの3点はドリブルで時間を作ってから放ったお得意のパターンだった。ドリブルで相手DFのタイミングを外すプレイは相変わらずハイレベルだが、当然相手守備陣も昨季の久保の活躍を理解している。シュートエリアでそう簡単に自由は与えてもらえない。

昨季以上に相手の警戒が強くなる中で、どうシュートコースを作り出すのか。昨季もペナルティエリア内から決めた得点数は2点に留まっているため、ゴール前での動き出しなどバリエーションを広げられると面白い。味方のクロスにダイレクトで合わせるようなプレイも増えてくれば、より多くの得点数を望めるはず。

ここまでの久保の評価はボールを持つと上手いテクニシャンといったところだろう。所属元のレアル・マドリードでポジションを確保するためには、もう少し得点力に磨きをかける必要がある。単に上手い選手ではなく、決定力のある選手になれるのか。これがビジャレアルで久保が乗り越えるべき課題と言える。

プレイタイムが限られているのは厳しいところだが、おそらくレアルに戻っても最初は似たような起用法となるだろう。少ない時間で結果を出すのもトッププロの仕事であり、ビジャレアル指揮官ウナイ・エメリもそうした分かりやすい結果を求めている。

ペナルティエリアで迎える決定機を確実に沈めていけるのか。マジョルカ時代以上にシュートチャンスを生み出せる環境にあるだけに、リーグ戦でも早い段階で1点奪ってリズムに乗りたい。(数字は『WhoScored.com』より)

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