エジルも認める新世代の“No.10” 注目集まるリールの超攻撃型MF

リールで得点能力が開花しつつあるヤジチ photo/Getty Images

EL3試合で2度のハットトリック

フランスで活躍する“エジル風MF”は、そう遠くないうちに欧州ビッグクラブへとステップアップを果たすのだろうか。今リーグ・アンにアーセナルMFメスト・エジルを彷彿とさせるような創造性に溢れた攻撃的MFがいる。

その名はユスフ・ヤジチ。リールに所属する23歳で、トルコ代表にも選出されている選手だ。トップ下を主戦場とする彼は、創造性に溢れたラストパスや類稀なるキック精度を武器としてリール攻撃陣にアクセントを加えている。トルコ国内では、そのプレイスタイルから“メスト・エジル2世”などと呼ばれることも。実際、2018年にはエジル本人も「ヤジチは素晴らしいNo.10だ。僕らには多くの共通点があり、僕は彼の中に自身の姿を見ることがあるよ」と話している。

そんなヤジチは、ここのところ類稀なる得点力も身に付けつつある。シーズン開幕直後こそリーグ戦でベンチを温める機会も多かった同選手だが、ヨーロッパリーグの試合で出場機会を掴むと一気にその攻撃性能が開花。ここまで出場した3試合で2度ハットトリックを達成し、現在は6ゴールで同大会の得点ランキングトップに立っている。この活躍もあって、最近のリーグ戦2試合ではセンターフォワードとしての定位置をゲット。現地時間22日に行われたリーグ・アン第11節のロリアン戦では2ゴール1アシストのハイパフォーマンスを披露し、リールの勝利(4-0)に貢献した。
得点も奪えるNo.10というのは、サッカー界において非常に貴重な存在。昨季レヴァークーゼンでシーズン18得点を挙げたドイツ代表MFカイ・ハフェルツが最大1億ユーロ(約126億円)とも言われる移籍金でチェルシーに引き抜かれたことを例にとっても、その希少性は窺い知ることができる。そんななか、フランスで得点を量産し始めたヤジチもさっそくビッグクラブの興味を惹きつけているようだ。同選手の代理人を務めるアデム・ジェベチ氏は、トルコ『Demiroren』に対して次のように語る。

「リールのルイス・カンポスSDはユスフのことをとても気に入っている。彼はトラブゾンスポルから彼を引き抜く際に、かなり熱心に動いていたよ。だが、ユスフが選手として真の可能性を示しつつある現状、カンポスも適切な価格でならばビッグクラブに彼を売却する準備がある。この調子でユスフが活躍を続けるならば、それはそう遠くない未来に実現すると思うよ。もう彼の契約解除条項について問い合わせをしてきたクラブもいくつかあるしね」

伊『calciomercato』によると、現時点でヤジチに興味を持っているとされるのはアーセナルやACミラン、ラツィオといったクラブ。まだ興味の段階ではあるものの、ここ最近の目覚ましい活躍でこのトルコ代表MFに注目が集まっているのは間違いない。はたして、今後の移籍市場でヤジチが4大リーグのビッグクラブへとステップアップを図ることはあるのだろうか。覚醒の予感がしてきたトルコの“エジル風MF”の去就には注目しておきたいところだ。

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