ユーヴェに馴染んできた新アンカー “ピルロ型ではない”MFが安定感をもたらす

今季からユヴェントスでプレイしているアルトゥール photo/Getty Images

横パス目立つも組み立てに安定感

今季アンドレア・ピルロ監督が新たに就任したユヴェントスにおいて、誰が新たなアンカーを務めるのかは相当な注目を浴びていた。ボスニア・ヘルツェゴビナ代表MFミラレム・ピャニッチの抜けた穴はあまりに大きく、ピルロ監督は解決策を見つけ出すまでにそれなりの時間を要するかもしれない。開幕前、新たなチームに対してはそんな懸念があった。

しかし、ピルロ監督は思いの外あっさりと新アンカーを見つけ出したのかもしれない。ピャニッチと入れ替わりでバルセロナから加入したブラジル代表MFアルトゥール・メロが、中盤の底で渋い仕事をこなし始めたのだ。

加入当初は周囲から「彼の適性はインサイドハーフ。アンカーは別の選手に任せた方が良い」との意見もあったアルトゥール。しかし、結果的に同選手はそのキック精度を活かしてユヴェントスの中盤を司りつつある。現地時間21日に行われたセリエA第8節のカリアリ戦にて、同選手が記録したパス成功率は驚異の96%(100本中96本成功)。この数字を見ても、彼がユヴェントスのビルドアップにどれだけ貢献しているかは窺い知ることができるだろう。局面を変える派手なパスこそないものの、アルトゥールはビアンコネリの組み立てに絶対的な安心感をもたらす存在となっている。

たしかに、かつて”一撃必殺”のキラーパスを連発していたピルロ監督と比べれば、アルトゥールのスタイルは地味かもしれない。実際、この試合で彼が通したパスのうち、実に8割が横方向というのは決して見逃すことができない事実だ。自身より前方へ供給したパスはわずか18%とあって、SNS上では「アルトゥールにはまだ何かが足りない」と指摘するファンも少なくない。

しかし、“ボールを散らす”という能力に注目すれば、彼は指揮官の現役時代にも匹敵するようなポテンシャルを秘めているのではないだろうか。バルセロナ時代から、アルトゥールの強みは圧倒的なボールキープ能力と確実なパスの受け渡し。ユヴェントスも獲得した時点で、それは承知していたはずだ。少し目に見えづらい部分が多いかもしれないが、ビアンコネリの中盤に安定感をもたらしているブラジル代表MF。現時点で周囲の評価は分かれているアルトゥールだが、今季ユヴェントスで浮沈の鍵を握っているのはこの男かもしれない。

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