絶対的守護神に見え始めた衰え インテルに近づく“GK世代交代”のとき

昨季まで絶対的守護神としてインテルの守備を支えたハンダノビッチだが…… photo/Getty Images

パフォーマンスの低下は深刻

これまで長きにわたってネッラズーリのゴールマウスを守ってきた守護神だが、36歳のベテランGKに衰えが見え始めた。インテルに所属する元スロベニア代表GKサミール・ハンダノビッチのパフォーマンスは、ここのところ下降気味だ。

2012年夏にウディネーゼから加入してからというもの、インテル守備陣を支える最後の砦として奮闘してきたハンダノビッチ。昨季までクラブ在籍8シーズンで実に122回もクリーンシートを記録していた守護神だけに、ファンからの信頼は絶大だったと言っていい。しかし、2019-20シーズンのリーグ戦再開以降、どうにもハンダノビッチの様子がおかしい。ここ最近の彼は明らかに低調なのだ。これまでのパフォーマンスが完璧すぎたということもあるが、以前の彼ならば防げたであろう失点も最近は増えた。

実際、それは数字にも表れている。昨季リーグ戦中断前までに出場した35試合において、同選手が喫した失点は「36」。1試合平均に換算すると1.03点となるが、中断明け以降はその数値が1.22点(23試合28失点)にまで上昇している。なお、2017-18シーズンは0.86点(49試合42失点)とあって、その違いは明白だ。もちろん、失点のすべてがハンダノビッチのせいでないことは考慮しなければならない。だが、どのシーズンでもそれは同じことが言えるだろう。
「ここのところ、ハンダノビッチには批判が集中しているね。正直に言えば、私もロックダウン前と後で彼のパフォーマンスは変化したと思っているよ。今の彼は以前よりもフォームが低下している。セーブ率も見るからに下がっているね。彼にも、もう衰えの時期が訪れたのかもしれない」

これは伊『Sky Sport』のインタビューに対して、クラブOBの元イタリア代表GKジャンルカ・パリュウカ氏が残したコメント。かつてインテル165試合に出場した名手も、ハンダノビッチにはついに衰えの時期がやってきたと考えているようだ。あれほど絶対的な存在だった男も、もう36歳。パリュウカ氏がそう考えるのも無理はないだろう。

伊『Gazzetta dello Sport』によると、ハンダノビッチの現状を重く見たインテルは今冬にも彼の後継者獲得へ動くとのこと。現時点でその筆頭候補はウディネーゼに所属するアルゼンチン代表GKファン・ムッソのようだが、はたしてネッラズーリは今後このGK問題をどう解決していくのだろうか。長年チームを支えた功労者だが、ハンダノビッチがインテルの正守護神でいる時間は残り僅かとなっているのかもしれない。

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