3年目でついに“100%”のネイマール CLで舞うファンタジスタが主役だ

今季の主役はネイマールの方か(左) photo/Getty Images

ついにCLで暴れる時が来た

新型コロナウイルスの影響もあってレギュレーションが変則的になっているが、ついにパリ・サンジェルマンがチャンピオンズリーグ・ベスト4の領域へと足を踏み入れてきた。

近年は大型補強を連発してきたものの、なかなかベスト8の壁を破ることができなかった。25年ぶりのベスト4入りにはクラブもサポーターも特別な思いがあるはずだ。

ここまでチームを導いてきたのは、大型補強の中でも目玉選手だったFWネイマールだ。
ネイマールは2017年夏にバルセロナを離れ、パリへ移籍。移籍の理由は様々あっただろうが、その1つにリオネル・メッシの陰から抜け出すことが挙げられていた。バルセロナでは常にメッシを支える脇役となるため、パリで絶対的主役として欧州の頂点へ立つことを望んだのだろう。バロンドールを狙うならば、メッシのいるバルセロナを離れたのは正解かもしれない。

しかし、道のりは思った以上に険しかった。ネイマールは怪我も目立つようになり、加入初年度の2017-18シーズンはチャンピオンズリーグ決勝トーナメント1回戦2ndレグを欠場。チームはレアル・マドリードに敗れ、1年目はベスト16敗退の屈辱を味わうことになった。

続く2018-19シーズンもネイマールは決勝トーナメント1回戦を怪我で欠場し、チームもマンチェスター・ユナイテッドに逆転負け。まさかの2年続けてベスト16敗退を味わうことになったのだ。

2018年はワールドカップ制覇も逃すことになり、ネイマールはバロンドール候補にも名前が挙がらなくなってきていた。年齢的にも28歳を迎えており、タイムリミットが迫りつつあるのは事実だ。

しかもパリでは後輩のFWキリアン・ムバッペが躍動し、パリからバロンドール受賞者が出るならムバッペとの意見も目立つようになった。ネイマールではなく、ムバッペこそ真のエースと考えているサッカーファンも多かったはずだ。

ネイマールにとっては逆風が続いていたが、今季は一味違う。チャンピオンズリーグ・ベスト4入りを果たしたチームの中心にはムバッペではなくネイマールがいるのだ。

今季は決勝トーナメントに入ってからも好調を維持し、ベスト16のドルトムント戦では1stレグと2ndレグの両方で得点を記録。ベスト16敗退が続いていた悪夢を振り払ってみせた。

さらにベスト8のアタランタ戦では得点こそなかったものの、貴重なアシストを記録。さらに16回もドリブルを成功させる圧巻のパフォーマンスを披露しており、こちらも話題の中心はムバッペではなくネイマールだった。

得点、アシスト、魅せるドリブルと、ネイマールは間違いなく今季チャンピオンズリーグの主役だ。

準決勝ではライプツィヒと対戦するが、タレント力ではパリの方が上だ。本来の実力を発揮すれば、ファイナルへ駒を進めることができるはず。残念ながら今年はバロンドールが中止となったが、仮にパリがチャンピオンズリーグを制覇すればネイマールがバロンドールに最も近い存在となったかもしれない。バイエルンFWロベルト・レヴァンドフスキのパフォーマンスも見事だが、インパクトはネイマールだって負けていない。

チャンピオンズリーグを制覇すればネイマールの目的が1つ叶うことになる。パリ移籍は失敗だったと批判され続けてきたが、頂点に立てば風向きは一気に変わるはずだ。

3シーズン目にしてネイマールが本領発揮といったイメージだが、この勢いのまま欧州の頂点に立つのか。それもムバッペではなく、自分がチームの主役としての優勝だ。まだ準決勝と決勝が残っているが、現時点でネイマールの評価は大きく変わってきているのではないだろうか。

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