王国ブラジルを悪夢へ追いやったドイツの猛攻 衝撃“7-1”の裏にあった物語とは

開催国ブラジルを7-1で粉砕したドイツ代表 photo/Getty Images

試合前日に心ない人々からの嫌がらせ

開催国の夢を跡形もなく粉砕したドイツ代表のゴールラッシュから、まもなく6年の時間が経過しようとしている。そのインパクトは絶大だっただけに、今でもハッキリとこの試合を覚えている人も多いだろう。2014年ブラジルW杯準決勝・ドイツ代表vsブラジル代表の一戦だ。

最終的に7-1の大差でドイツ代表が勝利を収めたこの試合。絶対的エースであるFWネイマールを欠いていたとはいえ、まさか開催国ブラジルが大量7失点を喫して敗北するとは、誰も予想していなかったことだろう。この結果はブラジル国民に大きなショックを与え、“ミネイロンの惨劇”と呼ばれながら今も語り継がれている。

そんな開催国を粉砕したドイツ代表は一体なぜあそこまでのゴールラッシュを披露することができたのか。当時マンシャフトのメンバーだったMFサミ・ケディラ(現ユヴェントス)は、試合前日にあった“ある出来事”がチーム全員の心に火をつけたと語っている。

逆境に打ち勝つべく、選手たちに金言を授けたレーヴ監督 photo/Getty Images

「試合前日の夜、何者かから僕らの食事に問題があるというメッセージが送られてきたんだ。だからそのチェックのせいで30分ほど夕食を取るのが遅れたことを覚えているよ。結局、その後それはデマだと発覚したけどね。すべて問題なかった。でも、一部の人の嫌がらせはそれだけじゃなかったのさ。宿舎の近くで何人かの地元住民が花火を上げたんだ。僕らはそのせいでなかなか寝付けなかった。僕個人にそこまで影響はなかったんだけど、他の選手の中にはうるさくてなかなか眠れなかった人もいたみたいだ。だが、幸いにも朝までにはみんな寝ることができたよ」

「そんなことがあったから、翌日にヨアヒム・レーヴはこう言った。『これから24時間の間だけ、ブラジル人は友達じゃない』とね。彼らはとてもフレンドリーに僕らを迎えてくれたが、今はチームの成功だけを考えるべきだと訴えたんだ」

ブラジル代表との決戦前夜、ドイツ代表の面々は一部の心ない人々から嫌がらせを受けていたとのこと。開催国と戦うというのは、こういった試練もつきまとうものなのか。しかし、レーヴ監督の一言で彼らはその気持ちに整理がついたという。結局、24時間だけ地元の人々と心の距離を取ったドイツ代表は、その策が功を奏してかブラジル国民を絶望の淵へと追いやることとなった。

試合前日までは逆境に立たされていたドイツ代表。栄光を掴み取った裏にはこんな衝撃エピソードがあったというは、なかなか表に出てこないだけに興味深い話であるのは間違いない。

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