「馬鹿げた行動で私を怒らせた」 元伊代表監督が“最大の後悔”とする選手は

かつてトッテナムやラツィオでプレイしたガスコイン氏 photo/Getty Images

「私は心の中で泣いていた」

いくら才能があっても、それだけでは活躍できない。そんなところか。かつてイタリア代表監督を務めたディノ・ゾフ氏が、その指導者キャリアで最も失望した選手について語っている。

それは1992年から1994年までラツィオで共闘した元イングランド代表FWポール・ガスコイン氏だ。同氏は1980年代後半から1990年代中期に「ガッザ」の愛称で親しまれ、ラツィオ加入前までは主にトッテナムで活躍。激しい肉弾戦が繰り広げられていた当時のイングランドにおいて、類まれなテクニックを駆使したプレイで見る者を魅了し、「イングランド・サッカー史上で最も才能に恵まれた選手」とも称された。

しかし現在、彼はキャリア晩年から薬物中毒やアルコール依存症にはまった選手としても知られている。2003年の現役引退後、状態は深刻化し何度も過度な飲酒で病院に運ばれたり、暴行事件を起こしたりしてゴシップ紙の紙面を賑わせる存在となってしまった。そしてどうやら、ゾフ氏の話によるとその兆候はラツィオ時代からあったようだ。伊『Rai Radio 2』のインタビューに登場した同氏は、当時のガスコイン氏について次のように語っている。
「当時、私は彼のために必死だった。あの時のガスコインは才能を失った偉大な芸術家だったね。彼は馬鹿げた行動で常に私を怒らせた。気の毒に思ったよ。持っていた才能を捨てていたんだからね。私は心の中で泣いていたんだ。引退後、何か問題が発生するのはその時から明らかだったね」

「ある年、彼は12kgのオーバーウェイトでトレーニングキャンプにやって来た。12kgも太ったポニーテールの男さ。絶望したよ。その時は思わず周囲に訊いてしまったよ。『アイツは誰だ?』ってね。間違いなくガスコインだった。彼は私のキャリアの中で最大の後悔と言える選手だ」

優れた才能を持ちながらも、自身の行動によって今ではイングランドで「サッカーの上手な愚か者」などと呼ばれるようになってしまったガスコイン氏。ゾフ氏も当時から彼の扱いには手を焼いていたようだ。名選手なだけに、今後汚名を返上する善行を積み重ねてほしいところだが。

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