「私は腐った集団を扱っていた」 元インテル指揮官が悪夢の84日間を振り返る

インテルをわずか84日で解任されたデ・ブール photo/Getty Images

チームを掌握できなかったオランダ人指揮官

2016-17シーズン開幕前、セリエAのインテルは当時フロントとの亀裂が報じられたロベルト・マンチーニが監督を辞任。後任として、アヤックスの指揮官だったフランク・デ・ブールを監督に据えたが、チームは一時リーグで12位に低迷するなど不振に陥る。これをうけてクラブはデ・ブールの解任を決定し、このオランダ人はわずか84日でイタリアを去ることとなった。超短期政権となってしまったデ・ブールのインテルだが、当時のクラブでは一体何が起こっていたのだろうか。

英『Squawka』によると、デ・ブールは監督就任後にクラブの改革を推し進めようとしたことや、当時所属していた選手との関係についてインテル時代を振り返っている。

「インテルではあまりにも多くのことを引き受けた。クラブが長い間勝てない状況にあったので、私は全体の文化と構造を変えたかったんだ。私は腐った集団を扱っていたが、特定の選手の放出は許されなかった。もしかしたら、もっと強引にそれを推し進めたほうがよかったのかもしれない。変化を望むなら直ちに多くのことをすべきだからだ。私はみんなと友好的な関係になろうとしたが、不可能だったよ」

デ・ブールは痛烈な表現を用いて一部の選手を批判しているが、開幕直前に突然やってきた指揮官がいきなり大改革を推し進めようとすれば、反発する選手も出てくるのは当然だ。加えて、シーズンに入った後もなかなか勝てないとなれば、そのすれ違いが大きくなっていくのも仕方ないだろう。デ・ブールのクラブに対する改革の意識は立派だが、やるべきことの優先度が違った印象は否めない。

インテル退団後のデ・ブールはクリスタル・パレスの指揮官に就任したが、前職よりもさらに早い77日での解任となった。現在はMLSの昨季王者であるアトランタ・ユナイテッドを今季から率いており、リーグ戦は3試合を戦って2分1敗といまだ勝ちがない。このままいけば3度目の短期政権になりかねず、指導者としての未来も危うくなる。信念を曲げないスタイルも悪くはないが、彼はそろそろやり方を変える必要があるのかもしれない。

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