攻守のキーマンに起こる異変 英紙が指摘するチェルシーが抱える2つの問題

トッテナムには手痛くやられたチェルシー photo/Getty Images

サッリのサッカーに疑問

開幕から魅力的な攻撃サッカーで勝ち点を順調に稼いでいたチェルシーに最初の危機が訪れている。エヴァートン相手のスコアレスドローに続き、前節はトッテナムに1-3で敗れて今季リーグ戦初黒星を喫してしまったのだ。もちろんマウリツィオ・サッリ体制は今季からスタートしたため、いきなりリヴァプールやマンチェスター・シティについていけと要求するのは難しい。課題が見えてくるのは当然のことだったが、英『METRO』は今解決すべき問題は2つあると特集している。

1つは、ここ最近話題になっているエンゴロ・カンテの起用法だ。アントニオ・コンテの下では最終ラインの前を掃除する役割を任され、守備的MFとしての能力は世界トップクラスと誰もが認めている。しかしサッリはアンカーに愛弟子ジョルジーニョを配しており、カンテは昨季よりも攻撃に顔を出す機会が増えている。そのぶんカンテのボール奪取率は低下しており、1試合平均のタックル成功率は昨季の3.5回から1.8回に減った。インターセプトの数も2.5回から1.3回に減っている。

カンテも今の役割をこなせないわけではないが、今の起用法ならカンテより上手く立ち回れる選手は他にもいるだろう。少なくともカンテの能力を最大限活かしきることはできていない。指揮官が代わればスタイルも変わるものだが、カンテを上手く活かせていたのはコンテの方だった。
もう1つの問題は、エースのエデン・アザールが少々おとなしくなったということだ。今季開幕当初はアザールが大爆発し、リヴァプールFWモハメド・サラーのように今季はアザールが得点王レースに加わるのではないかとの声まであった。しかし、10月に入ってからアザールは得点ペースが落ちており、僅か1得点だ。

序盤チェルシーが優勝争いに絡めていたのはアザールの爆発があったからで、それが止まると得点の形が見えづらくなってしまう。何よりチェルシーは得点の量産が期待出来るセンターフォワードを抱えていない。アザールにどれだけ気持ちよく得点を決めてもらうかが上位躍進のカギなのだ。

同メディアはオリヴィエ・ジルーとアザールのコンビを固定すべきではないかとの考えを示しており、アザールとジルーの相性は非常に良い。しかしジルーは最後にアザールが得点を決めた第8節サウサンプトン戦以降リーグ戦での先発出場がない。アルバロ・モラタが得点量産できれば問題ないが、まだその兆候は見えてこない。魅力的な攻撃サッカーは披露できているが、どう得点を奪うかが現在のチェルシーの課題となってきている。

チェルシーは今月8日にマンCとの上位対決を予定しており、優勝争いに生き残れるか1つのポイントとなるだろう。カンテ、アザールの両選手はチームのキーマンであり、彼らをどう活かしていくかが今後の課題だ。

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