細部を詰め切れなかった日本代表 西野監督が挙げた課題とは

3バックを試した西野監督だが...... photo/Getty Images

攻守両面で“中途半端”な戦いぶりに

30日に国際親善試合が行われ、日本代表がガーナ代表に0-2で敗れた。

日本代表を率いる西野朗監督は試合後に行われた公式会見で、同試合で浮き彫りとなった課題について言及している。

「たくさん狙いとしてできたところと、そうではない部分があった。そして、そうではない部分のなかでこういう結果が出た。色々とトライはできたと思います。ただ、それは勝つことを前提としたうえでのトライだった。結果が出ず、本当に残念です。スタートの部分が少し、(戦術的な足並みが)揃っていなかった。3バックについては、失点してオフェンシブに切り替えるなか、選手たちはそれぞれ狙いを持ってトライはしてくれた。そういう方向性ができたのは評価したい。とにかく今日は、“勝ってロシアへ!”という思いで選手たちと準備してきたので、それが出来ずに申し訳ないという気持ちと、次に繋げなければならないという気持ちです」


Q.狙いとしてできた点について、具体的にお願いします。

「攻撃については、外に長友(佑都)、原口(元気)、酒井高徳というポイントを置いているので、ここ数日言い続けているのは、中盤で主導権を取れるかということ。中央でポイントを作ってサイドの選手を使っていく。そういうサイド攻撃が狙い通りにいった部分もあります。また、中央からの崩しに関して、さらにゴール前でもう少しコンビネーションを使えればという場面もありましたが、(選手たちは)トライしてくれました。決定機を(全く)作れなかったわけではないので、最終的にフィニッシュのところ。もう少しフィニッシュの形が作れれば良かったのですが、サイドアタックと中央からのトライはいい形ができたのではないかと思っています。守備の部分では、マークの受け渡しのタイミングとか、3バックがスライドするときのギャップをつかれてしまいました。きちんとスライドできている場面もあったなかで、(PKに繋がった)ルーズボールの場面では、コンビネーションが結果として合いませんでした」


Q.スパーリング相手としてのガーナについて。セネガルよりもフィジカルは強いチームだったが?

「スカウティングはしていました。おととい来日したというコンディションを考えれば、本来の力はそう出ないという予想で、スタートからオフェンシブにいき、ボールも試合もコントロールできるようなゲームを選手も想定していました。(ただ、)想像以上にガーナの出足が良く、圧力をかけられましたし、感じの良いスタートを切られました。局面(球際)でもけっこう強かった。予選のビデオをみると切り替えが非常に遅く、間延びしていた。今日は日本に対して、引くところはしっかり引いて、カウンターを狙っていた。ミーティングのなかで情報を与えて対応すべきところは対応しないといけない。ただ、(今日は)あまりガーナの個の力を気にせず、自分たちの3バックをトライすることにしましたし、そのなかでのガーナの対応力に、我々の思惑通りにいかない場面がありました。そういった意味では、セネガルよりも強さを感じたと思います。スピード、パワー、フィジカルだけではない、組織的な部分も感じたので。(我々も)いろいろ変化させていかないといけないなと感じました」


Q.3バックについて、本大会で使えるメドは立ったか? また、23人の選考について、今日の試合のなかで変わったことはあったか?

「3バックに関しては、この形でということでは考えていない。いろいろ対応を考えるなか、押し込まれたなかでの3バックや5バックを、これまで全くトライしていなかった。あくまでガーナ戦でやったということであり、本大会もこれでいくとは(選手たちに)伝えていません。ガーナのシステムや選手個々の特徴を考えれば、(選択すべきは)3バックではなかったかもしれません。ただ、これから色々な局面、状況に対応していきたいというなかで、(3バックを)やっておきたかった。選手には決して『(本大会も)これでいく』と伝えていません。そういうなかでのトライだったので、3バックに関しては、悪い部分をこれから修正していきます。23人の選考に関しては、今日の一試合で選手全員を試せた。この結果を受けてリストに載せないということは当然ありません。確認したい部分がありました。はっきり言えば、香川(真司)、井手口(陽介)、岡崎(慎司)。ただ、ベストのコンディションで出ないといけない選手たちが、制限された時間のなかで出られた。プレイできている彼らに対して、これからの時間でどう変わっていけるかも総合的に考えていきたい。まあ、彼ら(香川、井手口、岡崎)がプレイできたのは本当に嬉しい」


Q.この試合に向けて準備をしてきたと思います。選手たちの取り組み方、取り組む姿勢にどの程度満足しているか? また、こうしてほしいという部分は?

「今日も試合前、ハーフタイムもそうでしたが、自分の描いている3バック、こういう戦略だからこういうポジショニングがある、こういうふうにやっていく、一人ひとりにこういう役割があるんだ、という形では準備していません。選手たちと『これはできるか?』、『こういう状況はどうだ?』というふうに、色々と共通意識を持ちながら準備をしてきました。そうすることが一番スピーディーだと思っています。今後はやれることの精度を上げたいということと、(選手に対する)要求を引き上げていきたいです」

Q.3バックについて。長谷部(誠)を交代して4バックにしましたが、長谷部を一列前に出して4バックにしたほうが良いのではと思っていたのですが、どうだったのでしょうか? そして、後半30分まで3バックを引っ張ったのは、4バックに切り替えるよりも、やはり3バックでやる時間のほうを長く取りたかった?

「そうですね。今日はプラン通りの交代を行いました。交代枠は6人。その6人をそれぞれスイッチしていくと試合が成立しない状況になるので、交代は3回。そのなかで6人。(状態を)確認しておきたい選手を(投入する)ということでした。最後は井手口になりましたが、当初は大島(僚太)との交代を考えていました。戦前のプランのなかでは、ボランチ2人を終盤に変える。ただ、攻撃的なところでやはり大島の展開力、プレイメイクが外せなかった。最後は足をつっているような状況でしたが、終盤の追いかけなければならない状況のなかでのキープレイヤーでした。当初は長谷部を引っ張ることも考えていましたが、それもトライする状況ではあったかもしれないです。いろいろ安定させるためには、長谷部(を前にあげる選択)だったと思いますが、本当に攻撃に出なければならなかったので、ああいう形になりました」(同監督のコメントより抜粋)

攻守両面で試行錯誤が続く西野監督だが、解決すべき問題は山積みだ。ウイングバック(長友、原口)の突破力を活かした攻撃はある程度徹底されていたものの、ペナルティエリアに侵入する人数が少なく、攻撃が単発に終わる場面が目立った。後半開始前に香川真司、酒井高徳、武藤嘉紀の3選手を投入した同監督だが、比較的空中戦に強い大迫を交代させてしまったことで、試合前に練り上げたサイド攻撃が更に機能しなくなるという悪循環に陥った。

また、守備面においてもプレスのかけ始めや最終ラインを押し上げるタイミングを徹底できず、前線の3人(大迫、本田、宇佐美)と中盤の間が間延び。このスペースをガーナの最終ラインや中盤の選手に使われたことで、相手のビルドアップを食い止めることができなかった。ガーナ戦では攻守両面において細部を詰め切れなかった同監督だが、本大会までに修正を施すことができるだろうか。




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