[水沼貴史の欧蹴爛漫008]GS突破へ求められる“レヴァンドフスキ封じ” 日本代表が講じるべき対策は?

彼へのパスを断つ&挟み撃ちにするのが大事です

彼へのパスを断つ&挟み撃ちにするのが大事です

ポーランド代表やバイエルン・ミュンヘンで活躍中のレヴァンドフスキ photo/Getty Images

水沼貴史です。日本代表を率いていたヴァイッド・ハリルホジッチ監督が解任され、私自身大変驚いています。ロシアW杯開幕まで残された時間はあと僅かですが、この厳しい状況の中で選手たちがいかにやるべきことを整理し、ピッチ上で表現できるか。引き続き彼らの奮闘ぶりを見守りたいと思います。

さて、今週もロシアW杯に出場するであろう選手の中から、日本代表が特に警戒すべき選手をピックアップしました。ポーランド代表のFWロベルト・レヴァンドフスキ(バイエルン・ミュンヘン)です。今季のブンデスリーガ26試合出場で26得点と好調な彼ですが、日本代表はグループステージ最終節で彼をどう抑えるべきでしょうか。順を追ってお話ししましょう。

空中戦に強いだけでなく、左右どちらの足でも正確なキックを繰り出せるという、まさに万能型ストライカーです。トラップやワンタッチプレイもほとんどしくじらないなど、ポストプレイヤーとして必要な能力を全て持っています。ポーランドに彼を起点とする攻撃をさせないためにも、まずは彼をできるだけ日本のゴール前から遠ざける、そして彼にボールが渡らないようにするための守備が重要になってきます。それをふまえると、ディフェンスラインは極力高めに保ちたいですね。また、「ボールを奪ったらまずレヴァンドフスキを見る」という約束事がポーランドの選手間で徹底されているので、日本としてはボールを奪われたら彼へのパスコースを消す、ボールホルダーにプレスをかけるという作業をしなければなりません。最前線や中盤の選手がこの任務を負うと思いますが、やみくもにチェイシングするとロングボールでプレスを剥がされてしまいます。誰がどのタイミングでプレスをかけ始めるのかを、予め明確にしておきたいところです。

次に、彼にボールが渡りそうな場面、特にポストプレイをされそうな時に日本が行うべき守備をご説明します。強靭な肉体を誇る彼を独力で止めることができるDFは、世界中を見渡してもなかなかいません。常にセンターバックとボランチが適切な距離感を保ち、彼にボールが渡った瞬間に挟み撃ちにするという局面を作りたいですね。この際、特にセンターバックが食いつきすぎるとターンを得意としている彼に背後をとられたり、最終ラインの後ろのスペースをポーランドの他の選手に使われたりします。彼の対応をセンターバック任せにせず、ボランチの選手が常に自身の背後をケアすることが大切です。

エリア内でのポジショニング&体の向きに注意

エリア内でのポジショニング&体の向きに注意

シュートコースを限定することが求められるだろう photo/Getty Images

ただ、これまでご紹介した守備を実践しても相手に押し込まれ、ペナルティエリア内で彼と勝負せざるを得ない場面がおとずれると思います。サイドを切り崩してからの彼へのクロスがポーランドの基本的な攻撃パターンですので、この点についても対策が必要でしょう。まず彼と対峙する日本のDF(主にセンターバック)に求められるのは、彼から離れないことです。「自分の腕を伸ばせば、相手の体に触れることができる」距離を保つのが定石とされています。これを実践することで彼の体に素早く自分の体を密着させることができ、彼に不自由を与えてシュートを放たれる回数が減るでしょう。仮にシュートを放たれても彼の近くにいれば、自分の足や上半身でシュートをブロックしやすくなります。

また、彼はペナルティエリア内での動き直しも得意なので、対峙するDFとしてはボールと彼を同一視野に入れておくことが求められます。サイドにボールが展開された際、ボールばかりに気を取られがちですが、特にセンターバックは体の向きを工夫し、彼とボールを同時に見れる体勢を整えたいですね。また、日本のサイドバックやサイドハーフについては、彼へのクロスを断つ守備が求められます。特にGKと最終ラインの間に低くて速いボールを通されると失点のリスクが高まるので、最低限そのコースを遮断するための体勢を整えることが大事です。

これまでお話しした対策は極めてオーソドックスなものですが、これを試合終了までやり通すこと以外に彼を止める術はないと思います。幾度となく対戦相手のマークを掻い潜ってきた彼ですので、際どいシュートを放たれる場面は必ずおとずれるでしょう。世界最高峰のストライカーを前に日本代表がどんな守備を構築し、どれだけ体を張って彼を封じることができるか。そこがポーランド戦最大の見どころになると思います。

ではでは、また来週お会いしましょう!

水沼貴史(みずぬまたかし):サッカー解説者/元日本代表。Jリーグ開幕(1993年)以降、横浜マリノスのベテランとしてチームを牽引し、1995年に現役引退。引退後は解説者やコメンテーターとして活躍する一方、青少年へのサッカーの普及にも携わる。近年はサッカーやスポーツを通じてのコミュニケーションや、親子や家族の絆をテーマにしたイベントや教室に積極的に参加。幅広い年代層の人々にサッカーの魅力を伝えている。


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