野球強豪国キューバが“サッカー人気No.1”の国に? 国内の風景が変わってきたとの声も「あらゆる年齢層が野球よりもサッカーが好きと答えている」

キューバ代表が国際舞台で結果を出す時はくるか photo/Getty Images

バルサやレアルなどラ・リーガ人気も影響しているとか

キューバといえば、多くのメジャーリーガーを輩出してきた野球強豪国との印象が強い。それは今も変わっていないが、国内のスポーツ人気には変化が出てきているとスペイン『SPORT』は取り上げている。

『GolCuba』の編集長も務めるアレクサンダー・ラミレス氏は、キューバ国内でサッカー人気が急速に拡大していると語る。

「サッカーはここ数年のキューバで最も人気が高いスポーツと言える。間違いなくね。キューバ人が野球を見なくなったわけではないが、街に出ると変化に気付く。Youtubeでのアンケートでも、あらゆる年齢層が野球よりもサッカーが好きと答えている」

これは移民の影響も大きく、国内で人気を集めているのはレアル・マドリード、バルセロナ、アトレティコ・マドリードといったスペインのクラブだ。

また、代表チームの強化に力を入れているのも大きい。国内でプレイしている選手に限らず、他リーグでプレイしている選手にも積極的に声をかけている。

ラミレス氏は「2021年より、キューバは『レギオナリー』、つまり国外のリーグにいる選手を代表に招集しても良いとの許可が出た。サッカーだけでなく、これは他のスポーツでも禁止されていたことだ」と語る。

例えば現在キューバサッカー協会が継続的に声をかけているのが、スペイン2部のスポルティング・ヒホンに所属するGKクリスティアン・ジョエル(26)だ。フランスの国籍を選択する権利も有しているが、代表での実績はない。キューバとしては、代表に加えたい戦力なのだ。

他にはイングランドのバーミンガムやノリッジ・シティでプレイしてきたFWオネル・エルナンデス(32)は2021年よりキューバ代表でプレイしており、ポルトガルのジル・ヴィセンテに所属するFWホルヘ・アギーレ(25)はこの6月にキューバ代表デビュー。イタリア・トリノのU-20カテゴリーで技を磨く18歳の大型FWアレッシオ・ラバーリョも今年3月にキューバ代表でデビューしている。

もちろんまだまだ国際舞台への壁は高く、キューバは2026ワールドカップ北中米カリブ海予選の2次予選でグループ3位に沈んで敗退している。ホンジュラスだけでなく、バミューダにも抜かれての3位となっていて、1938年大会以来となるワールドカップ出場は遠い目標だ。

しかし今後もバルセロナやレアルなど欧州トップリーグの影響で国内のサッカー人気が高まれば、競技人口の増加などポジティブな効果も出てくるだろう。数年先にどうなっているかは分からないが、キューバが北中米のサッカー強豪国になる日はくるだろうか。

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