レアル・ソシエダからMFマルティン・スビメンディを獲得したことを発表したアーセナル。すでに控えGKとしてケパ・アリサバラガの獲得も終えている。
最大の焦点となっていた最前線のストライカーも、スポルティングCPのヴィクトル・ギェケレシュの獲得という形で落ち着きそうだ。ジャーナリストのファブリツィオ・ロマーノ氏らが同選手とアーセナルとの契約成立が非常に近いものとなっていることを伝えており、おそらくプレシーズンツアーの前には契約を完了させるとみられている。
ブレントフォードからMFクリスティアン・ノアゴー、さらにチェルシーからFWノニ・マドゥエケの獲得も近いとされており、新SDにアンドレア・ベルタを迎えた効果か移籍市場での動きが非常に迅速となっている。バレンシアとのDFクリスティアン・モスケラの獲得交渉も続いているようだ。
MFトーマス・パルティ、MFジョルジーニョ、DFキーラン・ティアニー、そしてDF冨安健洋らがチームを離れたが、それ以上の戦力を手にすることになりそうなアーセナル。昨季は怪我人が多発したことで戦力不足に陥り、リーグ2位を確保したものの思ったように勝ち点を伸ばすことができなかった。
しかしこれらの移籍が成立すれば、ほとんどのポジションで一線級の選手を2人以上擁することになり、負傷や過密日程にも対処しやすくなる。タイプの違うアンカーであるスビメンディとノアゴー、両サイドに対応できるマドゥエケ、そしてガブリエウ・ジェズスやカイ・ハフェルツにはない破壊力を有するギェケレシュ。DFマイルズ・ルイス・スケリー、MFイーサン・ヌワネリらアカデミー産の若手の突き上げも顕著であり、彼らに続く存在として若きMFマックス・ダウマンも注目されている。
メンツを見る限り穴という穴は見当たらず、プレミア屈指の選手層が構築されようとしていることは間違いない。しかし、これは同時にいよいよリーグ制覇に向けて言い訳が許されなくなったということでもある。ギェケレシュを先発起用した場合のハフェルツの処遇、スビメンディとノアゴーの使い分け、左のウイングをガブリエウ・マルティネッリに任せ続けるのかどうか、はたまた若手の使いどころなど、マネジメント面も含めてこれまで以上にミケル・アルテタ監督の手腕が問われることになる。
3季連続の2位というシルバーコレクターの立ち位置から脱却できるか。いちはやく陣容を整えようとしているアーセナルだが、もう選手層が薄いという言い訳は通用しない。今季はこれまで以上に結果が求められるシーズンとなるはずだ。