一番大変だったのは埼玉の渋滞? 日本と共にW杯行きを決めた豪州代表 選手、コーチ陣が語る予選で最も過酷だった瞬間

初戦で躓くも、そこから立て直してW杯出場を決めた豪州代表 photo/Getty Images

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豪州にとって苦難の予選だった

今回のワールドカップアジア最終予選で圧倒的な強さを見せた日本代表。世界最速でワールドカップ出場行きを決め、世界を驚かせた。そんな日本が所属するグループCではオーストラリアが2位で予選を突破。最大の山場だった6月の日本戦、サウジアラビア戦を2連勝で飾り、6大会連続となるワールドカップ出場行きを決めた。

今回のオーストラリアは決して順風満帆に進んだ予選ではなかった。初戦ホームで行われたバーレーンとの試合では0−1で破れるまさかの展開に。続くアウェイインドネシア戦は0−0で引き分けてしまい、開幕2節で得た勝ち点は立ったの1ポイント。スタートダッシュに失敗したオーストラリアは監督交代を決断し、グラハム・アーノルド監督に変わりトニー・ポポビッチ監督が就任。結果的にポポヴィッチ監督の下で復活し、就任後は5勝3分負けなしで本大会の出場権を手に入れた。

初戦から試練が待ち受けていたオーストラリア代表だが、選手、コーチ陣が今回の予選を通して一番大変だった瞬間があるという。『ESPN』によれば、それは昨年10月に行われた埼玉での日本戦。正確には、試合会場までのバス移動だという。
オーストラリアの選手たちが宿泊していた施設からスタジアムまでは車で40分ほどの距離だったが、高速道路で起きた渋滞のため選手たちはスタジアムに到着するまで2時間半も身動きができなかったという。日本との激しい試合を前に多くの選手たちが事前に水分補給をしていたため、多くの選手が困難な状況に陥り、解決策を見つけようと奔走していた。

またスタジアムでは、別々に移動していたオーストラリア代表スタッフも慌てふためいていたという。オーストラリアサッカー協会はキックオフ時間を遅らせるようにAFC(アジアサッカー連盟)に要望し、日本側もこれに前向きな姿勢で示していたが、キックオフの時間を遅らせることは認められなかった。彼らは選手たちが到着してすぐにウォーミングアップを始められるようにコーンを立てたり、ビブスを探したりあらゆることをしなければならなかったという。

オーストラリアのMFジャクソン・アーバインは、「結局は笑うしかない。サッカーとは不思議なスポーツだ。状況が自分の手でコントロール出来ない時どうすればいいのか?ただ対処するしかない」と試合後に語っており、「このチームと過ごしてきた中、物事が計画通りに進まないと分かっていて厳しい状況に対処しなければならない時こそ、自分たちが最も力を発揮する時がある。スタッフ、コーチングスタッフ、バックルームスタッフ、メディカルスタッフ、全てのスタッフに敬意を表したい。まさに一流のプロフェッショナルだ。彼らは毎回のキャンプで私たちを大いに助けてくれるが、今回のような状況では、私たちにとってさらに重要な存在となる」とチームに関わるスタッフの人らに感謝の言葉を述べた。

アシスタントコーチのハイデン・フォックスは「日本は確かに難しい相手だった。 あれは間違いなく試練だった」と回想。「(第3戦目の)中国戦で良い結果を残したが、その後にあのバス移動があった。どんなアスリートでも2時間バスに乗っていて10分間のウォームアップがあるときは、その時間を遮断してその瞬間に自分自身を準備するために何ができるかを考えなければならない」と語っていた。

オーストラリアは今回の予選で日本が唯一勝てなかった相手。この10月の埼玉スタジアムで行われた試合は、両チームオウンゴールによる得点で1−1のドロー。6月のアウェイの試合は終盤に失点を許し0−1で敗戦した。

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