今季プレミアの新トレンドか 「8.5番」の概念を体現するガクポ、アルバレス、ハフェルツらの存在

ハフェルツは前線に足りない高さを補う photo/Getty Images

首位争いチームの共通点?

今季のプレミアリーグではマンチェスター・シティ、リヴァプール、アーセナルの3強がしのぎを削る構図となっている。そのなかで、今季のトレンドと呼べる戦い方はあるのだろうか。

英『The Athletic』が指摘したのは、「8.5番」という概念だ。

「9.5番」という言い方はサッカーファンにはなんとなく理解されるかもしれない。9番でありながら10番でもあるような、ストライカーでもありゲームメイカーでもある、ある時期のバルセロナのリオネル・メッシ、あるいはマンチェスター・ユナイテッドのウェイン・ルーニーのような存在か。
同メディアが指摘した「8.5」番は、中盤のセントラルMFとして機能しながら、ときにストライカーに変貌するようなプレイを見せる選手のことだ。同メディアによれば、これをいちはやく体現したのはリヴァプールのFWコーディ・ガクポで、シーズン開幕戦でチェルシーと対戦したとき、ユルゲン・クロップ監督は3人のMFの一角にガクポを起用している。遠藤航はまだ到着しておらず、カーティス・ジョーンズのような選手よりも序盤はむしろガクポが好んで起用されていたのだ。

また、アーセナルに今季加入のカイ・ハフェルツも「8.5」番の選手といえる。左のセントラルMFとして起用されるが、そこからゴール前に入ってターゲットの役割を果たすことがある。特に左のサイドバックが中盤化する場合ハフェルツの位置を上げやすくなるため、しばしばハフェルツがゴール前で脅威になっている。

また、マンチェスター・シティのフリアン・アルバレスはもちろん「9.5」番ではあるが、「8.5」と呼べる仕事をこなすことがある。ケビン・デ・ブライネと併用されたチェルシー戦では、ロドリの隣に下がってボールをさばくシーンも見受けられた。ただ、コール・パーマーにやられたシーンもあったことから、ストライカータイプの選手を守備にも使うことにリスクもあると同メディアは指摘している。

中盤でボールを回すときにも、前線へ飛び込むときにも人数が欲しいという状況を同時に解決できる「8.5」番。そんな存在が首位争い3チームの共通点だとすれば興味深いが、プレミアで新しいトレンドとなりつつあるのだろうか。

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