プレミアリーグも13節を終え、折返し地点が見えてきた。
毎年、これくらいの時期となればチームの成績をかんがみた上で、監督の交代が行われることも多かった。しかし、今季はいまだ誰も解任されていない。
昨季は、リーグ史上最多の13回の監督解任・辞任劇が起きたシーズンだった。もっとも早かったのがボーンマスで、開幕間もない8月に早々とスコット・パーカー監督を見限った。
9月にはチェルシーのトーマス・トゥヘルが指揮官の座を追われ、ブライトンのグレアム・ポッターがそれにともなって退任。チェルシー指揮官となった。しかし、そのポッターも成績不振により、4月に解任されている。ポッターは同シーズンで指揮官を2回辞したことになる。
そのほか、スティーブン・ジェラード(アストン・ヴィラ)、フランク・ランパード(エヴァートン)、パトリック・ヴィエラ(クリスタル・パレス)、アントニオ・コンテ(トッテナム)など、名選手として名を馳せた指揮官の解任が続いていた。
翻って今季は、どのクラブも辛抱強いという印象がある。英『Daily Mail』は、解任レースをリードするのは最下位バーンリーのヴァンサン・コンパニだとしながらも、成績がふるわないからといってすぐに解任することに必ずしも意味はないとしている。
理由は、もしバーンリーがこのまま降格したとしても、コンパニが持っている長期的なビジョンはバーンリーにとって有益だと考えることができるからだ。前任者ショーン・ダイシのキック&ラッシュのスタイルを作り替え、魅力的なサッカーを植え付けたコンパニ。そのスタイルと哲学が現在、クラブ全体に浸透しており、たとえ今季に降格したとしても、おそらくチャンピオンシップの平均的なチームよりも強いことは変わりなく、またすぐプレミアリーグに戻ってくることも現実的だ。
降格クラブには「パラシュート・ペイメント」として4500万ポンドほどが支払われることも同紙は報じており、過去10年間でプレミアから降格したクラブのうち、10クラブはそのまま復帰しているという。現在も、昨季までプレミアにいたレスターがチャンピオンシップで首位にいる。
オーナーやファンの機嫌次第では指揮官の解任もありうるのがサッカーだが、とりあえずコンパニの首もまだつながったまま。今季の解任第一号は誰になるのだろうか。