ベッカム、オーウェン、ジェラードら黄金世代と17歳でW杯へ…… ウォルコットの招集はその後のキャリアを変えてしまった

W杯・ドイツ大会でベンチに座るウォルコット photo/Getty Images

期待が大きくなりすぎた

18日、アーセナルなどで長く活躍してきた元イングランド代表FWテオ・ウォルコットが現役引退を表明した。

若い頃のウォルコットは爆発的なスピードを武器とし、10代の頃より大きな期待を背負ってきた韋駄天アタッカーだ。

ただ、10代の頃から異常な期待をかけるのは逆効果なのかもしれない。ウォルコットはまだ17歳だった2006年にイングランド代表デビューを果たし、同年に行われたワールドカップ・ドイツ大会でもメンバー入りを果たした。
当時イングランドを指揮していたのはスヴェン・ゴラン・エリクソンだが、ウォルコットはドイツ大会に参加したのは間違いだったと振り返る。

「正直に言うと、17歳の僕は絶対にワールドカップへ行くべきではなかった。まだプレミアリーグでもプレーしたことがなかったからね。それでも監督は僕の中の何かを見抜いたのだろう。結局僕はワールドカップでプレーしなかったけどね」

「当時スヴェン(ゴラン・エリクソン)がアーセナルのトレーニングを見にくることは知っていたけど、特に何も考えていなかった。チームにはアシュリー(コール)に、ソル(キャンベル)がいたしね。ただ、その後にアーセン(ベンゲル)から『スヴェンは君のことを見にくるつもりだ』と言われたのを覚えている。僕は将来的なことを考えてのことかと思ったけど、それから突然招集され、人生全体が変わったんだ」(英『FourFourTwo』より)。

ウォルコットがアーセナルの選手としてプレミアリーグのピッチに立ったのは、ワールドカップが終わった後の2006年8月だ。ワールドカップに招集されていなければ単なる若手と見られたかもしれないが、17歳でA代表入りはインパクトが強い。ウォルコットに注目が集まりすぎたところはあったかもしれない。

特に当時のイングランドはマイケル・オーウェン、ウェイン・ルーニー、スティーブン・ジェラード、フランク・ランパード、デイビッド・ベッカム、ジョー・コール、オーウェン・ハーグリーブス、ガリー・ネビル、アシュリー・コール、ジョン・テリー、リオ・ファーディナンドらスーパースターだらけのチームだった。そこに17歳のウォルコットが名を連ねるのは衝撃だ。

ウォルコットもその後アーセナルで印象的なパフォーマンスを見せたが、当初期待されたレベルには届かなかった。10代の頃からの注目は選手にとってプレッシャーになることもあり、あのワールドカップに招集されていなければウォルコットのキャリアも少し変わっていたかもしれない。

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