急に増えてしまったヘディングからの失点 アーセナルの首位キープには“セットプレイ対応の見直し”が必須?

セットプレイからトニーに決められてしまった photo/Getty Images

アーセナルはここでいかに踏ん張れるかが勝負どころ

プレミアリーグ首位を走っているものの、直近公式戦3試合未勝利とやや勢いを失っているアーセナル。12日に行われたブレントフォード戦は1-1の引き分けで終えたため、連敗を2でストップさせているが、ここに来てセットプレイからの失点が増えてきているのは少し気になるところだ。
 
何度か危ない場面を迎えたもののなんとか前半を無失点で凌いだブレントフォード戦のアーセナル。後半に入ると途中出場のFWレアンドロ・トロサールがFWブカヨ・サカのクロスに合わせ、66分に先制したが、74分にFWイヴァン・トニーに同点ゴールを許し、またしても勝ち点3の獲得に失敗している。
 
失点したのはアーセナルが右サイドで与えてしまったFKからだ。大外に飛んだクロスをトニーに折り返されると、ブレントフォードの選手たちがヘディングで繋ぎ、最後はMFクリスティアン・ノアゴールがゴール前へボールを送った。これを再び現れたトニーが頭で押し込み、試合を振り出しに戻している。
 
このゴールを受け、英『Squawka』はリーグ戦におけるアーセナルの直近3失点が全てヘディングから奪われたものだと指摘している。前回の失点は4日のエヴァートン戦にてDFジェイムズ・タルコフスキーに奪われたものであり、その前は先月23日のマンチェスター・ユナイテッド戦で許したDFリサンドロ・マルティネスのゴール。いずれもCKから頭で叩き込まれたものだった。さらに同メディアによると、この直近3失点までに喫したリーグ戦の15失点は全てヘディング以外の形から決められたものだったようだ。
 
ブレントフォード戦の空中戦スタッツを見てみると、空中戦デュエル数14回、勝利数12回というトニーの成績は両チーム通じて断トツトップとなっている。それに対し目につくのは、DFウィリアム・サリバの空中戦デュエル数11回、勝利数1回という数字。実際、失点シーンでもサリバはDFイーサン・ピノックに競り負けており、そこからノアゴールのクロス、トニーのヘディングへと繋げられてしまっている。
 
それでもエヴァートン戦でタルコフスキーに競り負けたのはMFマルティン・ウーデゴーであり、マンU戦はGKアーロン・ラムズデールが跳ね返したボールを押し込まれた形だ。この2戦のサリバの空中戦成績は悪くなく(エヴァートン戦は6戦4勝、マンU戦は4戦3勝)、彼が悪目立ちしたのは今回のブレントフォード戦だけ。どちらかと言うと、「セットプレイ時のマークの付き方」や「はっきりクリアをする」などといったチーム全体での対応に見直すべき点がありそうだ。
 
アーセナルの次戦は16日に行われる2位マンチェスター・シティとの直接対決となっており、アーセナルの方が消化試合数が1試合少ないとは言え、ここで負けると勝ち点で並ばれてしまう。時間は少ないが、こういった問題箇所をどれだけ修正してこの大一番に臨めるかが、タイトル争いの行方も左右することになりそうだ(データは『SofaScore』より)。

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